旅にはその人の性格が出るとはよく言ったもので、自分のペースで行動したい一人旅、賑やかに過ごしたいグループ旅行、アクティビティを楽しむのか、グルメを満喫するのか、出会いを楽しむのか、人の数だけその人が旅に求める目的やスタイルは違っているように思える。
ワーケーション(ワーク+ヴァケーション)もその一つ。新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、リモートワークが日常となった今、通勤がない快適さと共に、自宅での仕事での気持ちの切り替えの問題も浮上。規制が解かれたことを契機に生活の場と仕事の場の区切りがないと集中できない人々が居心地が良い場所を探して働くワーケーションは新しい旅のスタイルとして定着した感がある。
そうした需要の変化ともに、旅を提供するサービス側も多様に。中でも様々な実証実験を行い、ニーズを読み解き適応するプランを打ち出す定額制宿泊サービス「HafH(ハフ)」は旅好きの間で常に話題となっている。定額制というシステムを採用し、行きたかった場所はもちろん、これまで行ったことがない場所へ旅立ってみようというチャレンジ精神が刺激されるような仕掛け。8月から11月には行われたJALと提携しての「航空サブスクサービス」の実証実験は、合計500名の募集枠が即日完売するなど、その注目度合いがわかる。
HafHは36の国と地域、560都市(国内:386、海外:174)の987拠点(国内:747、海外:240)(ホテル、旅館、ゲストハウスなど)を定額で利用することが可能(詳細:https://www.hafh.com/)だが、その直営第一号は長崎。
HafH Nagasaki SAI
というのも、直営拠点「HafH Nagasaki SAI」 (長崎市)は代表である大瀬良亮の地元であり、隅々まで知り尽くした庭のような場所。現場のスタッフも大瀬良の地元の同級生や知人を筆頭に長崎出身者ばかりなのだ。大瀬良は東京で大手広告代理店に勤務していたが、帰省するたびに自身の故郷で馴染みの店がなくなっていくことや昔ながらの個人商店が宣伝に苦戦していることに胸を痛め、自身が人を呼び込もうとこの直営拠点を設立。貿易の拠点“出島”として栄えたかつての長崎のように、様々な人が交わり、新しい文化を発信できるよう種々のトライアルを行っている。例えば1Fのカフェでは珍しい古田商店の手引きサイダーや、地元食材を使ったブレックファーストを提供。近隣の飲食店とも連携し、宿泊者に地元の人間しか知らないグルメ情報を配布する。この日はトラベルウィークと題したイベントを開催し、全国から訪れたHafHユーザー向けに自身がガイドをかって出て眼鏡橋、出島、中華街、尾曲がり猫神社などを散策し、長崎の歴史や“長崎の猫は尻尾が曲がっている”“大正から続く洋菓子屋さん”など見過ごされてしまうような、けれど街の人間にとっては大切な情報などをシェアしていた。大浦天主堂やグラバー園などの観光名所がほど近いのも魅力。
“交流”を目的としている「HafH Nagasaki SAI」は、ネット環境の整ったワーケーションの場というのみならず、HafHを愛用しているコミュニティの人々の交流も非常に活発だ。旅の目的が人々とのコミュニケーションや新しい出会いであればうってつけだが、一方でキッチン、バス、トイレが共同のため、完全に一人の時間を楽しみたい人には提携先のホテルがおすすめ。
HafH Nagasaki SAI
https://www.hafh.com/properties/1
HafH Nagasaki Garden
直営2号店である「HafH Nagasaki Garden」(*現在は長期宿泊者限定) は中心部からやや離れた山上に近い場所にあり、SAIとは全く異なる和の趣きが特徴。光の差し込む庭を臨む広々とした畳の間が宿泊者の仕事場となっており、今ではなかなか体感することができない日本式の建築物の良さを実感できる。訪れた日は庭でBBQも開催され、SAIや他の提携施設からの宿泊者とのコミュニケーションが図られていた。こちらもキッチン、バス、トイレは共同。
HafH Nagasaki Garden
https://www.hafh.com/properties/2
先日は、HafH利用者向けに外国人居留地であった東山手甲十三番館をコワーキングスペースとして使用するトライアルも。明治中期に建てられた由緒ある館で、コーヒーや喫茶を楽しみながら仕事をする人々が地元メディアのニュースにもなった。コワーキングスペースは数多くあれど、国登録有形文化財の中で仕事をするというのは、通常の仕事とは異なる、五感に残る個人の体験として非常に貴重なものになるだろう。
ちなみにこのHafHでの宿泊ですっかり長崎を気に入り、長期滞在を経て、実際に移住した人もいるという。オランダ文化が早くから根付いた長崎は、瀟洒な洋館も多く景観が美しい。食にしても素材がフレッシュなだけでなく、ちゃんぽん、トルコ飯、カステラなど交差する文化から生まれた多様な料理を有している。長崎のような、一度知るとまた戻ってきたくなる魅力的な街というのは日本中に多くあり、その楽しみを知るとどんどん未知の街に出かけたくなるから不思議だ。
「航空サブスクサービス」はそのような場所に足を向けさせるサービスとも言える。対象路線は羽田発着の新千歳、釧路、山形、小松、南紀白浜、高知、長崎、宮崎、那覇、宮古の10路線往復。対象路線毎に、1泊分、指定のホテルを利用できる。
(※南紀白浜ご利用の場合、復路出発空港は、南紀白浜、関西、伊丹の3パターンより選択可)
通常のHafHプラン利用費に別途36,000円で、これらの路線と宿泊を最大で3回まで利用できるというもの(現在は終了)。詳細はこちらから:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000039388.html
SHIRAHAMAM KEY TERRACE SEAMORE RESIDENCE
例えば南紀白浜は、知る人ぞ知る温泉のメッカで、海を一望できる宿泊施設が多く、現在ワーケーションの聖地と呼ばれるほど訪れる人が増えている注目の場所。日本離れした海と白い砂浜の光景は、長く閉じ込められていた私たちの気持ちを優しく解きほぐしてくれる開放感に満ちている。提携宿泊施設の「SHIRAHAMAM KEY TERRACE SEAMORE RESIDENCE」は、思う存分に仕事をしたら海を眺めながら温泉に浸かれるだけではなく、カジュアルに利用できる足湯も完備。スタイリッシュなインテリアや焼き立てのパンを食せるベーカリー&カフェ、海の幸を堪能できるレストランなど、海外のリゾートホテルのような趣きがある。南紀白浜空港から車で10分程度という便の良さも魅力。
SHIRAHAMAM KEY TERRACE SEAMORE RESIDENCE
https://www.hafh.com/properties/336
ホテル・トリフィート宮古島リゾート
宮古島は沖縄でも漲水御嶽や通り池など神聖な場所が多いことからパワースポットを巡る人にも人気だが、仕事の息抜きにマリンスポーツやゴルフなどのアクティビティを楽しむ人も多く訪れる。宮古島本島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋など、壮大な景色と海の共演を楽しめる場所も行き先々にあるので、移動はレンタカーがおすすめ。提携宿泊施設「ホテル・トリフィート宮古島リゾート」はプールも備えた、築年齢の浅い綺麗なホテルで、宮古空港から車で10分圏内にあり、レンタカーショップが隣接されている利便性も高い施設だ。ワーケーションで訪れるならば、仕事の後にどんなプランを組むかを考えただけで効率が上がりそう。
ホテル・トリフィート宮古島リゾート
https://www.hafh.com/properties/784
また移動で使用するJALは、破格の価格設定に加え、通常と同様にマイルも加算。多忙な身であれば欠航の多いLCCに比べて安心感は格段であり、広々としたスペースでストレスが少なく、Wi-Fiが使える機も多く仕事に時差が生じず、その土地土地と組んだ独自の商品なども機内販売で扱っていることから喜ばれるお土産物を購入できるなど多々の利点がある。
一人でじっくりと隅々まで組み立てる旅の計画も良いが、HafHの宿泊施設を眺めていると自分では辿り着けなかったかもしれない未知の施設がこんなにもあるのかと驚かされる。宿泊先の豊富さに加え、各地での出会いや地元の産業を体験できるツアーなどの提案など旅に出るための理由を与えてくれるHafHを一度体感してみるのはいかがだろう。
HafHとは
https://www.hafh.com/
サービス内で獲得できる 《HafHコイン》を使って宿泊する「旅のサブスク」サービス。観光や出張目的だけでなく「住む」「働く」「日頃の気分転換」など新しい旅のスタイルを提供。
ホテルを始めとする宿泊施設の定額化と交通事業者との各種提携により、旅をより簡単で便利なものとし、移動の自由化を通じた新たなライフスタイルを提案している。
【移動+宿泊】=便利で、簡単で、お得な「旅のサブスク」
年に数回の旅行の時には許容された、一回ずつの宿泊予約、支払いの煩わしさを、HafHはサブスクという形で解放。日々の宿泊手配の手間を大幅に軽減することで、頻度高く場所を移動可能なライフスタイルをつくっていく。
2021年8月の有効会員数※ 2万5千人。
※本登録を完了した会員数、退会済み会員は含まない。
JALやJR⻄日本、交通事業者との提携も。
2021年度は宿泊に「移動」も含めたMaaSサービスの構築に取り組む計画を立て、 交通事業者との連携を加速。2021年7月27日にはJALとの業務提携を発表し、羽田発着10路線を対象に、3往復+3泊分がHafH会員限定のサブスクで36,000円となる「航空サブスクサービス」の 実証実験を開始。 さらにJR⻄日本の新幹線・特急が約40%割引になる実証実験も(2021年11月末終了)。