東海村JCO臨界事故の舞台となった東海村の情景や人々を10年にわたって撮り続けた『THE DAY AFTER』、東京近郊の人工物から人間の営みを捉えた『Zone―終の国』など、都市や生活のあり様を映したストリート・スナップ作品集を多く発表、日本リアリズム写真集団(JRP)の代表理事でもある写真家・金瀬胖。
本書『路上の伝記 / Trip around Tokyo, 2010-2015』も、タイトルのごとく東京を舞台としたストリート・スナップ作品集。
東京という無機質な街に積み重なる時間の流れや風景を、金瀬ならではの陰影鮮やかなモノクロスナップで多面的に切り取った本作。写真家の森山大道も「このストリート・スナップには、常に生と愛、知と情がレイヤーとなってしたたかに写されている」と帯で賛辞を贈っている。
金瀬の視点を通すことで東京のもつ別の一面に気がつけるかもしれない。
『路上の伝記 / Trip around Tokyo, 2010-2015』
金瀬胖
現代写真研究所出版局
2750円
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