ニューヨーク・タイムズ紙の人気ファッション・コラム「ON THE STREET」と社交コラム「EVENING HOURS」を長年担当してきたニューヨークの名物フォトグラファー、ビル・カニンガム。
ニューヨークの街角で50年以上にもわたりファッショントレンドを撮影してきたストリートファッション・スナップの元祖的存在であり、80歳を過ぎても現役ファッション・フォトグラファーとして多大な影響を与え続けてきた。しかし、彼自身の人生や思想については謎につつまれておりプライベートも殆ど知られていない。
そんなカニンガムの生き様に迫ったドキュメンタリー映画が『ビル・カンニガム＆ニューヨーク』だ。この映画が完成するまでに監督のリチャード・プレスは、ビルとの撮影交渉に8年、撮影と編集に2年、合わせて10年の年月をかけたという。
映画で明らかになるのは、ネガフィルムの山のほかには簡易ベットしかない小さな部屋に住み、雨の日にかぶる安物のポンチョをテープで修繕しながら着続けるという、ビルの質素な生活ぶり。それでいて、パーティー会場ではニューヨーク・タイム誌の客観性を守るため水の一滴も口にしない。
仕事以外には全く無頓着と言っていいほどの暮らしの中で「私のしていることは仕事ではなく喜び」と語るビル。その生き方から、新しい幸せの形が垣間見られるだろう。
ビル・カンニガム＆ニューヨーク
監督:リチャード・プレス
出演:ビル・カニンガム、アナ・ウィンター、トム・ウルフ、カルメン・デロリフィチェ、エディッタ・シャーマン
2011年公開
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