欲情が溢れしたたる満月の熱帯夜、フェティシズムとテクノの臨界が交わるポイントXOXOXOXが開演。ラバー、レザー、SM、ゴシック、ロリータ、サイバー、ボディアートといった世界の裏面と、アンダーグラウンドテクノの最深部がつながる。
近年の、ハードテクノの構造の緻密化と音域の増幅、その優位性を理解し、のたうつイマジネーションの音楽化に成功するEveやEmilioは、東京のハードテクノシーン再興の重要な一役を担っている。深い没入感、甘い陶酔感をともなう特異な空間は強力な依存性をともなって同心円を広げている。
この日のトピックは、エレクトロニックミュージックの濃度と音楽の質量を最大値まで引き上げるモジュラーシンセの2人の鬼才との融合にある。
複雑なねじれ、眩しい放射、太いうねり、変化を重ねながら強い推進力を伴うキックとベースライン。昨年解散を発表したオルタナティブロックの頂点NUMBER GIRLのベーシストとしてもしられる中尾憲太郎のモジュラーシンセライブは、フロアに巨大な音の壁を築いて聴くものを快楽のるつぼへと飲み込む。
BOILER ROOMやDOMMUNEからの配信、カルトレーベルDETROIT UNDERGROUNDからのリリース作品の中でも見られる、Galcidの発想の膨張と深化は聴衆の意識を微細な空間へと誘導し散策させてきた。アナログ・マシンから生み出される粘度の高いアシッドサウンドは、夜の開花を急速に促進させる圧倒的なサイケデリアを描くに違いない。
さらに、脳を攪拌するグルーヴFutsukaや、高度な音楽科学で組織されるアンダーグラウンドパーティCORMの主催Shogo、XOXOXOXの支配人Pinkspineといった、夜を燃やそうと渇望するクラバーへの格好の準備が整った。
静謐と狂喜、古雅と新奇、闇黒と光明、あらゆる境界線を模糊にする緊縛師 進藤渉の世界は、息をのむほどの圧倒的な美に裏打ちされている。張力と肉体の反発、我と公、抑圧と免罪とが表裏一体となりヒトと音の交わりが満月の夜、最高潮へとむかう。さらに、幻覚の具現、謎の美少女おしるこちゃんがフロアで舞う様に、いよいよ現実はぶれを生じる。
無数の音の繊維にまみれあがき高ぶる意識。羞恥の愉楽と解放の罪悪、強烈な快楽のなかを涼しげに踊る。
9月29日(金)OPEN / 21:00
ENTRANCE ¥2,500
GENRE : TECHNO
XOXOXOX feat. 進藤渉 & えだまめ
Oshiruko (@0465chan)
Kentaro Nakao play via Modular synth / EVE (VIXLATIXN | TRAPEZE) / Galcid / Emilio (NEBULA) / Tsukasa Saito (Futsuka) / Shogo (Corm) / Pinkspine(XOXOXOX)
R Lounge Web:
https://rlounge.jp/schedule.html?date=2023-09-29#sc5330
XOXOXOX Instagram:
https://www.instagram.com/xoxoxoxhugsandkisses/?hl=ja