PHOENIX (C) SHERVIN LAINEZ 2022
グラミー賞受賞のフランス・ベルサイユ発のバンド、フェニックスが2017年作品『Ti Amo』以来となるニュー・アルバム『Alpha Zulu』をリリース、グループ自らがプロデュースを手掛け、ロックダウン中にルーヴル宮内のパリ装飾芸術美術館でレコーディングを行った。『Alpha Zulu』のリリースに合わせて公開された収録曲「After Midnight」のミュージック・ビデオは東京で撮影され、Pennacky(ペンナッキー)が監督を務めた。
「After Midnight」について、フェニックスからのコメント
「「After Midnight」を書いたのは、パンデミックの真っ只中に、ルーヴル宮内のパリ装飾芸術美術館内にある我々のスタジオでした。美術館にいたのは私達だけ、友人達の集団が美術館を駆け抜け、お構いなしに過去の芸術史に残る宝物を散らかすのを見て、まるでゴダールの映画『はなればなれ』(Band Of Outsiders)のようだと思いました。「After Midnight」は、その時のフィーリングを奏でたサウンドトラックです。コード進行はバッハのコラールから拝借したもの。1977年に作られた巨大な日本製のシンセサイザーで演奏しています」
パリの装飾芸術美術館で生み出されたフェニックスの新作には、エモーション、スタイル、時代が衝突している。至福のパーカッションが降り注ぐ「The Only One」と、叩きつけるテクノ攻撃のような「All Eyes On Me」とがぶつかり合う。美術館の展示物が飾られている白い壁に反響するのは、ゼダール的コンセプト。ネガティブスペースに焦点は当てられている。ピュアな恋愛感覚もあるけれど、その感覚が如何に儚いものかを知る大人の視線も持っている。「My Elixir」は、甘い酒場のビートに乗せた孤独で物悲しいナンバー。誰もいないバーで歌われるカラオケのような雰囲気だ。“どこでもいいから家だと言ってくれ”と、トーマスは曲中で懇願する。“一緒に帰りたいんだ”と。彼はフェニックスが「Ti Amo」で“愛してる”と遂に言えたかを考えていたが、“だけど外国語だった”というのも否定できない事実と彼は認める。ますます終末的になってきた米国に住んでいる今、率直さが求められるのだ。トーマスが、アルバム収録曲のうち、唯一スタジオ外で作曲された曲を書いたのも米国にいた時だった。バンド仲間は、コーラス抜きの長いループを彼に送り、意識の流れを録音するように頼んだ。その結果が、アルバム中の傑作「Winter Solstice」だ。フェニックスの最も悲しい曲と言えるだろうか。打楽器の無い反芻音が、闇から明かりに向かって徐々に脈動する。“明かりをつけて/ 僕らしい話を見つけておくれ/ポジティブなやつを/このレクイエムは以前に数回演奏された”と、トーマスは途方に暮れたかのように歌う。
Phoenix
アルバム『Alpha Zulu』発売中
配信リンク:https://wearephoenix.lnk.to/Alpha-Zulu
日本限定エディションCD(直輸入盤)
解説・歌詞対訳付
収録曲:
Alpha Zulu
Tonight feat. Ezra Koenig
The Only One
After Midnight
Winter Solstice
Season 2
Artefact
All Eyes On Me
My Elixir
Identical
・「Alpha Zulu」MV
・「Tonight (feat. Ezra Koenig) 」MV
▼PHOENIX Information
Website https://wearephoenix.com/