エンブレム、ラベル、ボトルのフォルムを考え出しただけでなく、「メーカーズマーク」(=製造者の印)という名前をつけたのもマージー。英国の白磁製装飾器には、その製造者によって認められたものだけに製造者の印が刻印されていたことから、職人たちによって丹精込めて造られたバーボンに、メーカーズマークと名付けたのだ。
高い品質の象徴である赤い封蝋も名前も、すべて女性が考案していたとはなかなか興味深く、なんだか親しみが涌いてくるというもの。
さて、肝心の味はというと、そしてライ麦の代わりに厳選された上質の小麦を使い、職人がじっくりと苦味を抑えて熟成させてゆくため、他のバーボンよりもまろやかでふっくらとした甘みとスムーズな味わいが特徴。口の中を浮遊するバニラを中心とした複雑で繊細、かつしなやかな甘みはやみつきになること請け負い。オレンジやハチミツ、バニラを感じさせる香りも絶品だ。
ストレートやオン・ザ・ロック、ハイボールはもちろん、メーカーズマークはカクテルにしてもその甘さが崩れないことでも知られている。ケンタッキーでも愛されているのが、相性のよいオレンジジュースとトニックウォーターと合わせた「メーカーズマーク・オレンジモーニ」。オレンジジュースの代わりに、グレープフルーツジュースを使用すれば、すっきりとしたやさしい甘みにほのかな酸味が寄り添う、爽やかな「メーカーズマーク・グレープフルーツモーニ」に。ケンタッキー・ダービーの公式ドリンクとしても有名な「ミントジュレップ」。モヒートの次にはこれが来ると言われているこのエレガントな甘みとミントの爽快感がまじわるカクテル、ぜひ一度トライしてみてほしい。他にもスウィートベルモットとアロマチックビターズを組み合わせた「マンハッタン」など、様々な楽しみ方があるので好みのカクテルを見つけてみては。
欧米では大切な人への手紙や小包を蝋(ワックス)で丁寧に封じる習慣があるが、メーカーズマークの封蝋にも、「世界に一本しかない、あなた宛のバーボン」という気持ちが込められている。世界にふたつとして同じ形のものはない唯一無二のバーボンは、メーカーズマークからの心を込めた贈り物。自分で飲むもよし、ギフトにもオススメの逸品なのだ。