隠れ家レストラン「shibuya bed」のシェフ・宮田さんとソムリエ・バーテンダー・宮地さんによる食の連載企画「季節のいぶくろ。」。
毎週、旬な食材を使った“簡単”なのに“オシャレ”な料理と、それに合うワインを紹介していただきます。食にまつわる豆知識も満載です。
さて、今回のメニューは…?
「寒ブリと茸のソテー 山椒香るバターソース」
宮田:今回のテーマは「寒ブリ」です。「寒ブリと茸のソテー 山椒香るバターソース」の作り方をご紹介します。
宮地:ワインは、こちら。「フィエフ・ヴァンデアン クロ・サンタンドレ2012」。繊細なミネラルと伸びやかな果実味が特徴で、日本の繊細な料理を邪魔しない静かなワインです。
宮田:家庭ではブリの照り焼きが一般的ですが、少し山椒の香りを付けた和風寒ブリのソテーとかも美味しいですよ。ぜひお試しください。
寒ブリと茸のソテー 山椒香るバターソース
~料理のポイント~
・茸をソテーする時は、中火又は強火でソテーします。弱火で炒めると美味しい水分が出てしまうので注意。
・寒ブリは焼く20分前に塩をして味を入れておきましょう。
・家庭ではブリの照り焼きが一般的ですが、少し山椒の香りを付けた和風寒ブリのソテーとかも美味しいですよ。
~寒ブリの栄養効能~
寒ブリには、高血圧予防、骨軟化症予防、脳卒中予防、貧血改善に効能があるといわれます多くの鉄分とカルシウムもありますので、成長期のお子様にはとても良いお魚です。
今回の料理に合う、オススメのワインをご紹介。
新しいワイン
日本でもワイン法が生まれるかもしれないというニュースが取沙汰されています。産地ごとの品種や収量の規定のガイドラインとなり、消費者にとっての品質保証となるワイン法は主要なワイン生産国ではどこでも制定されていて、日本もこれにならってという流れのようですが、意識の高い生産者や業界関係者の間では疑問の声が多数挙っています。それというのもこれまで日本のワインの歴史は酒税法によってのみ規制されてきました。例えば海外の濃縮葡萄ジュースを輸入して国内で還元、醸造すると国産ワインとなるというような品質の追求や保証とはかけ離れたところでワイン生産が行われてきた現実があります。今現在、日本のワインを好くしていこうという動きは未だ手探りのなかで行われていて、どの産地にどの品種が適切か等、誰も正しい答えを持っていません。
多くの国のワイン法はフランスをモデルにしていますが、ニューワールドと云われるような比較的歴史の浅い生産国では、遊びの部分を幅広く持たせており、少しずつ現実に即して変化しています。フィエフ・ヴァンデアンはフランス、ロワール地方で2011年ヴィンテージより原産地呼称を名乗れるようになった産地です。ロワール川の河口から南に少し離れた位置に点在する葡萄畑からは中流で単一栽培されるシュナン・ブランと違い、補助品種の使用を義務づけたルールが制定されました。繊細なミネラルと伸びやかな果実味は日本の繊細な料理を邪魔しない静かなワインです。日本でもこのようにそれぞれの地域で新しいワインがこれから産まれてくると思うと楽しみで仕方がありません。
shibuya bed
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2−23−13
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イラスト 米原千賀子/illustration Chikako Yonehara