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猿田彦珈琲「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」Vol.2

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豆の産地を重視し、豆の個性を最大限に引き出す淹れ方を追求する新しいコーヒーカルチャー“サードウェーブ”が、世界中に浸透しつつある。サードウェーブの象徴ともいえる概念“スペシャルティコーヒー”にいち早く着目し、とびきり幸せな一杯を追求し続ける恵比寿のコーヒー屋「猿田彦珈琲」。連載2回目となる今回は、“豆へのこだわりとドリップコーヒーの現在“について、ロースターの都築尚徳さんに話を訊いた――。

ブドウの生産地によってワインの味わいが変わるように、コーヒーにおいても生産地や作られた時期によって味わいが異なる。この時期に最適な一杯とはどんなコーヒーだろうか?

「コーヒーにも旬があり、採れたての豆にはエネルギーがたくさん詰まっています。その年に採れた素晴らしいコーヒーは、猿田彦珈琲では“ジェダイ”と名付けているんです。これはスター・ウォーズ好きのオーナーが発案したのですが、今の時期のジェダイはボリビア産のメルガールですね」

と都築さん。“ジェダイ”を操る猿田彦珈琲は、さしずめグランド・マスター“ヨーダ”といったところ!? 早速、そのメルガールで2種類のドリップを試飲させてもらった。

「茶色い方がペーパーフィルターで、黒色が『コレス』という世界最新鋭の金属フィルターで淹れた一杯です。フィルターだけでも風味が変わってくるので、ぜひその違いを味わってもらえたらと思います」

なるほど。ペーパーフィルターでドリップしたコーヒーはすっきりとしたクリアな印象。一方、金属フィルターの方はコーヒーオイルが抽出されていて、まろやかな味わいが感じられる。

「朝にはペーパーのすっきりとした風味を。これからネジを巻き直すというお昼時には、コーヒーオイルがしっかり落ちる金属フィルターといった具合に、お客様のTPOに合わせてドリップするのが最適だと考えています」

現在、店舗ではペーパーフィルターで提供している。自宅派は参考にしてみてはどうだろうか。

スペシャルティコーヒー“ジェダイ”への猿田彦珈琲のこだわりはこれだけではない。

「使用しているのは、その畑(単一の農園)でしか採れない豆“シングルオリジン”です。素晴らしい珈琲豆をたくさん手に入れたいのですが、農作物なので、畑の作付面積で生産量が決まっています。実は、今回おすすめするメルガールは、“ニュークロップ”(収穫されてから半年以内の豆)ですので、1ヶ月分くらいの供給量しかないのです。まさに今が旬の豆です」

たとえ小ロットでも“ベストな一杯を提供したい”という姿勢。それがサードウェーブの哲学でもある。一期一会の一杯を求めて、読者のみなさんもぜひお店の方に足を運んでみてはいかがだろうか。豆が収穫された畑を想像しながら飲むと、より味わい深いコーヒー体験になるに違いない。

豆01メルガール

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