着ること自体に喜びを覚えるような服、自分がその服にふさわしくありたいと背筋がのびる服。それがJOHN LAWRENCE SULLIVANだ。幾多のチャレンジと唯一無二の感性から生まれたシャープで、限りなくエレンガントな独自のスタイルは、着る者の居住まいを正す静かな迫力を持つ。それは華美なデコラティブとは全く異なる、「本物」の迫力だ。メンズでパリコレクションに挑む一方、2010年よりよりスタートさせたレディースで目を見張るほどの進化を見せる柳川荒士に、メンズとレディースの作り方の比較から今後の展開までを聞いた。
ーレディースを立ち上げたのは2010年のSSですよね。最初はメンズのサイズ違いのようなアイテム数点からのスタートでしたが、今ではしっかりひとつのコレクションとして形作られていますね。
柳川「そこそこは表現できるくらいにはなってきましたね。女性ならではのワンピースやスカートも増えてきました」
ー特に2013SSからは輪郭がはっきりしてきたように思えます。最初から強い女性像というのは頭に描かれていたと思うんですが、その表現方法がわかってきたという感じでしょうか。
柳川「元々甘すぎる服は自分の好みではないから、自分が本当に好きで、どういう女性に着てもらいたいかという中でもの作りをしていくと、自然とこういう感じになっていきました。さらに女性的な生地の作り方や女性がどういうところを隠したくてどういうところを見せたいかという部分も理解して、そのうえで何をできるかということや僕が作る洋服の良さを込めれるようなデザインをしています。やはり、女性の身体のラインをどう見せたいかを理解していかないと、押し付けがましかったり、着にくかったり、たくさんの人に受け入れられないものになってしまうので」
ーそれはやっていく中で徐々に学んでいったことですか?
柳川「はい。レディースは1stシーズンからバイヤーの反応は良くていいお店で沢山展開していただいたんですが、一方でお客さんは、格好いいけどちょっと着るのには難しいかなという感じで構えてしまう方が多かったんです。それで自分なりに時間をかけて研究をして、その中でちゃんと持ち味を入れられるようになって来たらお客さんからの反応も変わってきました」