——遊び心があるという点があなたのデザインの特徴の一つだと思いますが、ユーモアや遊び心をキープするのは大変なことですよね。どのようにして維持しているのでしょう?
Liam「そういった要素があると、時に人が繋がりを感じにくくなってしまうこともあるし、あのエネルギーを維持し続けるのも容易ではない。自分が好きなことで、しかもそれが仕事となると僕は自分に鞭を打つことができるんだけど、デザインやクリエイティヴな面に関しては、自分自身を強制することができない時もある。そういう時は、スタジオを出て展示会に行ったり、友達と出かけたり、踊りに行ったりするんだ」
——なるほど。まさに遊び心の象徴というか、最新のAWのランウェイショーの最後の方で、モンスターみたいなものが出てきましたが、あれは何ですか?
Liam「ははは(笑)あれね。まだ名前は考えてないんだ」
——あれはあなたのオリジナルのモンスター?
Liam「そうだよ。模様を考えている時に描いたものからアイデアが生まれて。そのアイデアが膨らんでいって、あれになった。あれには今の世の中が反映されているんだ。テディベアは子供時代のシンボルで、あの叫んでいるような口は、マイクに向かって歌っているバンドや個人的な抗議を表している。ストレスがたまっていて、今回はどうやって食べていこうってもがいてたりする人とかね(笑)」
——ヘアメイクも個性的でしたね。あれもあなたがアイデアを出したんですか?
Liam「いくつかアイデアを考えていたんだ。ヘアに関してはTina Outenと一緒に、そしてメイクに関してはJenny Coombsと一緒に作業した。彼女たちとは、最初のシーズンからずっと一緒にやってきているんだけど、今回も彼女たちに僕のアイデアをいくつか見せた。90年代のバンドっぽい前髪のスタイルとかね。そこからまた話し合って、それをどう発展させてより面白くできるかを考えたんだ。で、あのテディベアの大きな口と前髪のアイデアをくっつけたんだよ(笑)」
——テディベアとバンドのアイデアはどちらが先だったんですか?
Liam「テディベアだよ」
——ということは、テディベアがショーの核だった?
Liam「ただ、テディベアが僕が表現したい姿勢を具体化していると思ったんだよね。人が何を考えているっていうのを僕なりに表現したんだ。現代の若い世代の考えをね」
——デザインをする時、若い世代のことを意識していますか?
Liam「しているよ。若い世代の中には、僕たちの世代も含まれている。世界を変え、進化させていく世代。だから、その世代に向けて何かを作るというのはとても大切なことだと思うんだ。その姿勢やスタンスを持つ事は、明るい未来にとっては重要だと思う」
——現代の若い世代を、あなたはどう見ていますか?
Liam「今、特にアメリカやヨーロッパでは僕たちの意思に反して様々な変化が起きていると思う。でも、僕たちはいずれそれをまた変化させることが出来ると思っているよ」