——洗練されすぎているものではなく、引っかかりがあるものが好きなんですね。
Liam「そう。予測出来ないものを受け入れるということも、違った意味でひとつの洗練だとも考えられるしね。僕は、完全に何かをコントロールするよりも、物事を自由に起こさせるほうが好きなんだ。何かをコントロールしてしまっては磨かれすぎてしまうし、クリーンになりすぎてしまう。自然に生まれたもの方が興奮するんだよ(笑)。何が起こるかを把握したくないんだ」
——あなたが好きな音楽、ヒップホップやパンクもまさにそのようなタイプですよね。
Liam「そうだね。最近ではUKのグライムがもっとパンクになってきていると思う。以前のヒップホップやパンクと同じエネルギーを持っていると思うんだ。パンクは音楽よりも、”そんなのイチイチ気にしてらんねえ!”っていう姿勢だから(笑)」
——フジロックのためにわざわざ日本に来たこともあるそうですね。なぜそこまで音楽に熱くなれるのでしょう?
Liam「エネルギーだよ。そう思わない? 出かけて、踊って、バンドやMCを見ることは、僕にとって理想の楽しみ方なんだ。そこからインスパイアされるしね」
——そんなに音楽が好きなのに、なぜ音楽ではなくファッションに進もうと?
Liam「簡単だよ。楽器が演奏できないからさ(笑)」
——ミュージシャンたちとの繋がりも強いですよね。彼らとの間に、なにか共感できるものがあるのでしょうか?
Liam「そう思うよ。同じエネルギーを持っているし、同じ考え方をしていると思う。それがあるから彼らは音楽にハマることが出来るし、僕はファッションに没頭できるんじゃないかな」
——ちなみにCassette Playaに出会ってからデザイナーを志すようになったというのは本当ですか?
Liam「そうだよ。彼女のもとで働いていたことがあったんだ。学生の時だったんだけど、彼女から受けた影響はすごく大きい。ファッションを始める前、僕は美術学校に通っていたんだけど、その時はファッションだけではなく色々なことをやっていたんだ。当時、僕はファッションに興味がなくて、ファッションといえばギラギラの時計とか、車とか、スーツとか、そういうイメージだった。でも、彼女がすごくエキサイティングなものを作っているのをみて、ファッションの面白さを理解することができたんだ」