—大草原の小さな家に関してはいかがですか?
マーカス「それもサムライと同じで、そのままの受け売りではなく、例えばフローラルなプリントだったり、フェミニンさをミニマムな形で見せたりという表現に昇華されています。ドレスの上に着る家事をしやすくするためのオーバーオールからヒントを得てのネックラインであったり、とてもミニマルでクリーンで綿密に計算されたようなものを90年代的なシルエットやライン、シェイプで表現しました」
—完全に余談なんですが、大草原の小さな家って私は小さい頃にテレビで観ていたんですけどイギリスだとどういう感じで観てたんですか?
マーカス「僕も子どもの頃にドラマ仕立てのものをテレビで観ていました」
—でも小さい男の子ってあまり「大草原の小さな家」には興味ないですよね?
マーカス「まあ、他の人があまりインスピレーションソースとして選ばないようなものに着眼するのも意外とクールなものを見つけるきっかけになるかもしれないということですね(笑)。そこからいろんな要素をピックアッし、クールなものを生み出すことができました」
—(笑)。元々日本が好きだということですが、やはり伝統的な文化が好きなんですか? ダフト・パンクやエールなどは日本のアニメとかを観て育って、それで日本文化に傾倒していったという流れがありますが、あなた方が興味を持つようになったきっかけはそういうものなのか、それとも大人になってから古典文化に惹かれるようになったのかを聞きたいです。
マーカス「僕は成長していく過程ではそこまで日本に興味はありませんでした。初めて日本に訪れたのは2001年なんだけど、とてもクレイジーで、世界中の何処にもないような街だと感じた。さらに、デニムに興味を持ち始めてからは、日本人のデニムに対する愛に触れたり、職人たちの思想や作り方が素材に上手く反映されているのを見て、なんてすごいんだって驚愕しました。デニムだけではなく、職人たちのクオリティの高さやサービス精神、完璧なものを作り出していこうという精神にグッと惹かれたんです。ディテールへのこだわりは他に類を見ないですよね。他にも、アメリカンヴィンテージの収集への貪欲さだったり、イギリスのものもそうだけど、伝統的なものなどに対する愛情や執着みたいなものは突出している。そういう部分が興味深かったんです」
デヴィッド「僕は忍者のイメージだったな(笑)。あと、東京は面白い街だっていう評判などを聞いていたので、イメージは良かった。昔は遠い場所だと思ってたけど今はアクセスもしやすくなってるし、この4、5年くらいは毎年日本を訪れているくらいです」