Rick Owenseが2024年秋冬 ウィメンズコレクション「PORTERVILLE」を発表。メンズのショーに続き、25年前にコレクションのセールスショールームとして使っていた自宅兼仕事場で、再びショーを開催した。
ショーのタイトルである「PORTERVILLE」はデザイナーの出身地。繊細で若く生意気だった幼少期の経験を思い起こし、生まれた土地に因んで名付けた。
奇妙だが高貴な宇宙服は、リサイクルカシミアやフェルトやアルパカで編まれ、同素材のフード付きローブやターボプライニットのポンチョに包まれている。ニットのトップスは胴体の上部を結び、束ねられ、前回のメンズ・ショーでロンドンのデザイナー、straytukayとコラボレーションしたインフレーテッドラバーブーツのように、レザーのデュベストレッチブーツが下に重心をもっている。
一部のジャケット、シュラウド、サイレン・スカートは、ゴムを専門とするパリの BDSM コミュニティのメンバー、マティス・ディ・マッジョが廃棄自転車のタイヤをリサイクルして作ったもの。
ケープとマントは、オーストリアのアルプス、ダッハシュタイン山麓にある1888年創業の5代続く家族経営の工場で作られた、重くコンパクトなローデンフェルトを裁断して作られている。目の粗いオーストリアの羊毛で織られ、ダッハシュタイン氷河の精製された雪解け水を使ってフェルト化。シャギーコートとドーナツストールは、シルクの縦糸にアルパカの最長繊維を使ったヘビーウェイトのフェルトで作られ、ウォッシュ、フェルト化、そしてブラッシングの工程を経て作られている。
13オンスの日本製デニムは、ワックスと箔を何層にも重ね、プレスし、洗いをかけ、タンブリングすることで、最終的にひび割れや剥がれたメガクラストのような風合いの仕上がり。デニムはすべて、水の無駄を省くために小規模な処理槽で生産し、使用した水の一部を再利用できる浄水プロセスを利用するイタリアのヴェネトのウォッシュハウスで処理されている。デニムのウォッシュ加工はすべてZDHC認証を受けている。
チュニックとカーゴブーツは、1.5mm厚のヴェジタブルタンニングとウォッシュドカーフレザーを使用し、天然ワックスのみで仕上げている。ベジタブルタンニンなめしとは、革をなめし、保存する過程で植物性タンニンと天然タンニンのみを使用していることを意味する。
マレーネ・ディートリッヒが着用していたシャルミーズのイメージを思わせるかのようなクロップド・デュベッド・ポッドジャケットは、トスカーナにある2代目家族経営のLWG認定タンナーで加工された高品質のメリノ・シャーリングから製作されている。LWG認証は、原材料の追跡可能性、環境に対する厳格な基準の遵守、なめし工程におけるエネルギーおよび水の使用効率を保証することを目的としている。
家具コレクションに見られるブルータリズムの形状は、未来的なパラジウム仕上げを施した洗練されたクラッチバッグに採用されている。また、このクラッチバッグと調和するように作られたファセットカットのヘマタイトクリスタルを装飾したオーブ型のネックレスとカフスはイタリア・トスカーナ州フィレンツェ近郊で製造。石は、ヴェネツィア近郊で精密にカットされている。
OWENSCORP