2023年のファッショントレンドは「リボン」無しには語ることができない。Acne Studios、Simone Rocha、SHUSHU/TONG、SANDY LIANG、Kimhēkim etc.多くのブランドがリボンをモチーフとしたアイテムを次々と発表し、ソーシャルメディアでもリボンを取り入れたスタイリングを1日にいくつも目にするようになった。
そして、先日開催されたパリ・オートクチュール・コレクションや現在開催中のニューヨーク・ファッションウィークを見る限り、流行は2024年もまだまだ続く模様。ということで、今回はリボンブームと共にSNSで注目を集めているハイパーフェミニンなトレンド「Coquette Aesthetic(コケット・エスセティック) 」をご紹介。
Coquette Aestheticとは
「Coquette Aesthetic」は2023年下半期頃からSNSを中心に流行している言葉で、フランス語で「魅惑的な女性」という意味を持つ「Coquette」と、 特定のスタイルやテイストを指すときによく用いられる英語のスラング「Aesthetic」を組み合わせた造語。この言葉自体は、2010年代にTumblr(米国発のブログプラットフォーム)生まれたとされており、現在はZ世代を中心にリボン、レース、シルクなど子供時代を思い起こさせるアイテムを取り入れたファッションやライフスタイルを表す言葉として使用されている。
また、しばしば「This is so Lana Del Rey vinyl (これはまさにラナ・デル・レイ)」というキャプションとともにSNSに投稿されていることから、米国シンガー・Lana Del Reyの物憂げな世界観がCoquette Aestheticのモデルということが窺える。
Fashion
Coquette Aesthetic Fashionを楽しむために欠かせないのは「リボン」と「レース」。もちろん楽しみ方は無限大。ヘアに付けたり、足首に巻いてみたり、洋服からアクセサリーまで気分に合わせて自由に取り入れてみて。SNSでは靴紐をリボンに付け替えたりと、持っているアイテムをカスタムして取り入れるのも流行っているよう。
Coquette Aestheticに挑戦してみたいけど他の人と被るのはちょっと…という方は、ヴィンテージアイテムを使ってファッションに取り入れてみて。ぴったりのアイテムが見つかるおすすめのショップは、年代物のロマンティックなヴィンテージアイテムを扱う「curious_tokyo」と世界中で見つけた唯一無二の”ワールド衣料”を扱う「itimi」。ここでしか出会えない心躍る1着に出会えるはず。
Makeup
ファッションに合わせてメイクもピンクトーンでまとめるのがCoquette Aestheticのお約束。シャドウ、チーク、ハイライト、リップ、いつものメイクをどこか一箇所だけでもピンクに変えてみて。
Coquette Aestheticの代名詞リボンをメイクに取り入れるのも、プレイフルで楽しいはず。2023年AWのSIMONE ROCHAのランウェイメイクアップを見倣って目の下にリボンを貼り付けてみたり、ペンシルでリボンのアイメイクを施してみたりと、創造力に任せて自由に楽しむのがコツ。
ちなみに、ニューヨーク発のコスメブランド「Glossier」や、カリフォルニア発のコスメブランド「Too Faced」のプロダクトが、パッケージがCoquette Aestheticだという理由で人気を集めているよう。どちらもパリ発のコスメセレクトショップSEPHORAのオンラインショップから国外発送で購入することができるので要チェック。
Movie
Coquette Aestheticを楽しみたいけど見た目から入るのには少し抵抗がある…そんな方は映画で世界観を楽しむのがおすすめ。ライターMのおすすめ映画は以下の通り。
Valley of the Dolls (1967)
ジャクリーヌ・スーザンのベストセラー小説「Valley of the Dolls」を映画化した、カルト的な人気を誇る作品。邦題は「哀愁の花びら」。この作品の魅力はなんといっても、メインキャラクターたちのポップでキャッチーな60’sファッション。特にシャロン・テート演じるジェニファーのガーリーなルームウェアからは現代のCoquette Aestheticの片鱗も垣間見え、観終わる頃には真似したくなっているはず。TSUTAYA DISCAなどで視聴可能。
The Virgin Suicides (1999)
70年代のミシガン州を舞台にした、ソフィア・コッポラ監督の作品。邦題は「ヘビトンボの季節に自殺した5人姉妹」。ティーンエイジャー特有の幼さが残った姉妹が纏うノスタルジックな70’sドレスファッションはまさにAesthetic。ピンクの壁紙が目を引く彼女たちのベッドルームからもインスピレーションを得られるはず。U-NEXTなどで視聴可能。
Girl, Interrupted (1999)ウィノナ・ライダーが製作総指揮と主演を務め、精神科を舞台に少女の葛藤を描いた作品。邦題は「17歳のカルテ」。全体的にくすみがかった、幻影的な映像の色味がピックアップの理由。登場人物それぞれのキャラクターを反映したスタイリングとヘアスタイルも印象的。若き日のアンジェリーナ・ジョリーの怪演も見どころのひとつ。Prime Videoなどで視聴可能。
いつものスタイルにほんの少しCoquette Aestheticのスパイスを効かせてみると、新たな自分を発見するきっかけになるかも。ときめきに任せて、あなたらしく取り入れてみて。
text Mai Sugawara