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text by Minori Suzuki

結末のない映画特集:「Speak Yourself – わたしのいなかった世界にわたしの物語を書き込む」鈴木みのり

 怒り狂うサンがアシタカからもらった玉の小刀で、そのアシタカの胸を突いたにもかかわらず動じずにサンを抱きとめる姿は、今改めて観ても胸に迫るものがあった。そもそも、タタリ神の呪いで人間ならざるものに変わっていく自分にアシタカは気づいていて、小刀が当たった場所はその力で強化された部位だから、殺されると怯えてなかったのかもしれない。それでも、わたしもアシタカのように受け止めてくれる存在が欲しい、と思った。





「生物学的には」人間だと言えても、親に生贄として捨てられてもののけとして育ったサンを、十代の半ば、生まれたときに割り当てられる男/女ふたつのジェンダーを当たり前のものとする社会空間には居場所がないと感じ、どう生きていけば良いのか未来図が描けずに混乱していた自分自身を投影し、見ていた。アシタカは、山犬としてのアイデンティティを持つサンをひたすら「あの子は人間だぞ」と繰り返していて、ミスジェンダリング(男/女、あるいはどちらにも分けきれないノンバイナリーなど、個人が一致させているジェンダー・アイデンティティと異なるジェンダーで名指す侮蔑的な行為)しそう、という指摘にはうなずくし、批判可能な存在であるとわかっているのだけど。
 服装、振る舞い、発声、身体などさまざまなかたちに対して、「男/女らしさ」のようなものがあるとする、性別:ジェンダーというシステムが存在し、わたし自身もその中で出生時にジェンダーを割り当てられていると知って、しかし一致しないと感じるようになったのは、ちょうど『もののけ姫』が劇場ではじめて公開された1997年だった。





 最近『ボーイズ・ドント・クライ』を観直した。トランスジェンダー(男性)であることを理由に実際に殺されてしまったブランドン・ティーナが、作中でも人生をクローズしていく映画的再現は、ヒラリー・スワンクの見事な演技も相まって、痛切だった。2020年の日本に住み、ティーナとは異なり女性的なジェンダーを生きる身ながら、自分を重ねて見る部分も大きかった。
当時コロンビア大学でミロス・フォアマンが教鞭をとっていたと聞き、ニューヨークに行きたいと切望していた1999年の年末わたしは、しかし自身のジェンダーの葛藤とハードと聞く大学での勉強をはじめての海外生活で両立させられる自信がなく、東京の大学を受験することにした。そうして翌年の夏、『ボーイズ・ドント・クライ』を観た渋谷のシネマライズは、今はもうない。
 ブランドン・ティーナのように殺されるほどの不安はなかったけれど、自分の生/性をないものとされる扱いに、2000年代の前半のわたしは鬱々と過ごしていた。願書を出す前から、教師から提案された数校に電話をかけて「性別欄にチェックを入れなければ受験資格を得られないのか」と尋ねるなどしていた(当時どう対応したか覚えていないけれど、戸籍上「女性」となった今でもこの手のチェック欄があってスルーできないときは「男・女」のあいだの点を含み、かつ「女」の字のすべてを含まないかたちで、粗雑な丸で囲む)のと同様に、入学後も学内などジェンダー区分けが制度化された空間や制度に抵抗を覚え、授業も出られなかった。そのほかにもいろいろ生活上の困難があったけれど、サブスクもなく、TSUTAYAなど映画ソフトのレンタルショップは戸籍や住民票と紐づけられた学生証の提示を求められるから何年ものあいだ利用できなかったし(中高のころは父の会員カードを借りていた)、関東に移り住んだころに数年いた場所は東京から遠く、チケット代だけでなく交通費を含めると1本あたり2000円以上かかるからと、だんだん映画を観る機会が減っていった。未来は拓かれていると思えなかった。






 俳優のラヴァーン・コックスは、Netflixで公開されたドキュメンタリー『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』で、「テレビなどメディアでの表象を通して自分を発見する」という主旨の発言をする。同じようなことをわたし含め多くの人々がやっているのだと思う。しかし、ことジェンダーに関して言えば、シスジェンダーである人々にとっては、それが当たり前なこの社会で/から生み出される映画やキャラクターのなかに自分を投影できる選択肢を見いだすのは難しくないだろう一方、トランスである人々には一致させられる対象が限られてくる。だからこそ、逸脱した属性や要素を持つキャラクターや、ジェンダーに限らず立場や感情に揺らぎのあるキャラクターや、映画のエンドクレジットの向こうにまだ続きが想像できるような作品を求めてしまうのかもしれない。
『トランスジェンダーとハリウッド』は、原題「Disclosure: Trans Lives on Screen」が示すように、これまでの欧米の映画産業においてどのようにトランスジェンダーが表象されてきたのか、特にネガティヴなイメージを再生産してきた歴史をスリリングに暴いていく(disclosure)。これからのスクリーン上のトランスの表象はもちろんトランスの観客の生を肯定するために、過去の悪しき事例を批判的に検証し、そのイメージをどの立場の、誰が、どう語ってきたのか、と明らかにする。偏見が助長され、軽視され続け、差別や直接的な暴力に晒されながらも観客として、出演者として、製作者として生き延び、生きる場所を作り上げてきたトランスである人々の姿や声も映し出される。肌の色、文化的な背景、髪型、服装、年齢や世代、たくさんの差異を含みながら。



 ラヴァーン・コックスの、極めて優れた洞察とトランスジェンダーの生活者・映画/ドラマ産業従事者としての温もりのこもった語りだけでなく、ドット柄のシースルーとレーシーなリボンでブロッキングされた袖部分がかわいいあのドレス(またはトップス)はどこのブランドのものなのか? 、とわたしは気になった。それは、ファッションの虜の浮ついた感情(ノワール・ケイ・ニノミヤの2020年春夏で似たようなものがあって買おうかどうか悩んでいる)で、ボディイメージのジェンダー規範による「典型」から自由になれず、そのイメージへの補正を少しばかりか手助けしてくれる衣服に救われてきた身だからこその、強い関心でもある。
 コックスは自身のインスタグラムで繰り返し、自宅らしき定位置でアッパーなダンスミュージックと共に踊る動画をはじめ、「#TransIsBeautiful」というハッシュタグをつけた投稿を重ねている。自身のトランスジェンダーとしての身体と生/性を肯定すると共に、それが同じ・似た属性の誰かの力になる可能性を模索するかのように。わたしは、コックスのようなカーリーなブロンドや豊満な胸を欲しいとはあまり思わないけど、画面の向こうからの肯定的なエネルギーに鼓舞される。





 2012年に知り合った男は、わたしを「僕の彼女です」と呼び、友達や仕事関係者に紹介した。出会い系サイトを通して連絡先を交換し、女性的なトランスジェンダーとしてのわたしの身体を契機に、自分の快楽や欲望のファンタジーを解消するためだけに使い捨てるような男しか知らなかった、それまでの経験とは異なり、親しい友達からの紹介だった。ネットでの出会いを「例外」「特殊」とする規範を内面化していたわたしは、素直に喜んだ。
 そのころ日本で公開されたばかりの『ドラゴン・タトゥーの女』は、わたしの物語だった。主人公リスベットを演じるルーニー・マーラより背は高いしあんなに痩せてないけれど、ネットでの情報収拾に長け、感情を表に出さないその表象は、被虐的なエピソードや協働するミカエルとの関係も含めて、当時の自分と似ていると感じていた。わたしを初めて「彼女」と呼んだ男に贈った、iTunesのプレイリスト焼いたCDと、映画の最後にリスベットが放り投げたものが重なる。ルーニー・マーラが演じるリスベットの人生が見たかったから、デヴィッド・フィンチャーが監督するシリーズが続けられてほしかった。















 2000〜2010年代にかけて、少しずつトランスジェンダーや、それに準じるような人々の物語がメインストリームの映画作品のなかにも増えてきている。『トランスアメリカ』のフェリシティ・ハフマン、『アルバート氏の人生』の(物語背景のジェンダー差別・規範を考慮するとトランスと呼ぶのが適当かわからないけれど)グレン・クローズとジャネット・マクティア、『ダラス・バイヤーズ・クラブ』のジャレット・レト、『リリーのすべて』のエディ・レッドメイン。いずれの俳優もシスジェンダーだからだろうか、脚本、演出、映像、演技、衣装などに感心することはあっても、わたし個人を投影できるほどではなかった。エディ・レッドメインの、アイナーからリリーへと性別移行するプロセスを、手足それぞれの指先にまで微細な動きでなぞらせる丹念な演技には目を瞠ったけれど、お行儀が良すぎると感じたように。








 清純さより、ダーティな部分に自分をより強く一致させているのだと気付いたのは、ドラマ『EUPHORIA/ユーフォリア』のジュールスに出会ってからだ。『タンジェリン』の主演のふたり、トランスジェンダーでセックスワーカーのシンディとアレクサンドラに惹かれたのも、きっとこういう人々や生活が軽んじていいものとして扱われる価値観に抵抗を感じているからだと思う。
 ジュールスは、アプリで男と出会い、虐げられていると見えるほどの乱暴なセックスに身体が晒される。そんな話を学校では笑いながら友達にして、まだ出会ったこともなければ顔も知らないアプリの男の優しい言葉に浮ついて、卒業したら好きなファッションの勉強をしたいと夢見る。ジュールスの身体には、非典型的なトランスジェンダーとしての生/性から引き剥がせない、鬱陶しさと祝福の緊張関係があった。ジュールスを演じるハンター・シェーファーの細い身体は、ルーニー・マーラのリスベットにも通じる。シェーファーのほうが健康的な部分も見えるし、ユーモアもあるし、さらにトランスだという情報が、その身体の特定の部分にわたしの「一致させたい」という欲望を喚起し、投影しやすい。






 ドラマ『POSE/ポーズ』は、『EUPHORIA』のジュールスを知った後に見返すと少し物足りなさを感じたけれど、何度見てもエンジェルとスタンの恋愛からはやっぱり目が離せない。『ドラゴン・タトゥーの女』のリスベットとミカエルの関係性と似ている気がする。異性愛規範におけるモノガミーの関係性の裏では、主流社会から弾かれた誰かに心を開き、身体を重ねながら、結局は表の世界に戻っていく男たち。
 エンジェルを演じたインディア・ムーアは、インスタグラムツイッターでBlack Lives MatterやBlack Trans Lives Matter(黒人トランスジェンダーの命・生活の問題)を訴える様子や、トランスへの互助や福祉サービスの情報を提供し続けていて、コミュニティに日頃から慣れ親しんでいるように見えた。加えて、いつだって俳優を辞めかねないと言うか、今生きている現実における困難のために立ち上がることを映画・ドラマ産業での成功以上に優先しそうな雰囲気がする。泥くさくて、眩しい。





『POSE』より前にムーアが出演した『サタデーナイト・チャーチ -夢を歌う場所-』は、ミュージカルパートの挿入や脚本上のキャラクターたちの葛藤の物語もぎこちなく、決して出来の良い映画ではないのだけど 、ニューヨークのウエストヴィレッジでの教会で実際に行われているという支援プログラムの様子に胸が和らぐ。就職難、貧困、健康上の問題などに見舞われやすいトランスジェンダーやゲイ、特にブラックやブラウンなど非白人の若者らの集うコミュニティが描かれている。こうした場所にムーアや、『POSE』主演のMJ・ロドリゲスら、ブラック/ブラウンのトランスの俳優らは馴染み深いのかもしれない。





 1950年代にアイルランドからアメリカ・ニューヨークに移住した女性が、先に移り住んだ同郷の人々とのつながりや、年長の女性らとのやりとりや助言を通して成長していく様子が印象的だった、『ブルックリン』を想起する。たぶん、そのブルックリンの美術館の前で6月に、1.5万人の人々が集まって「Black Trans Lives Matter」の声をあげた様子を何度も見返しているからだと思う。その場所でのラケル・ウィリスのスピーチを繰り返し見ていた。ウィリスは「Out Magazine」の前編集長時代にトランスジェンダーの特集を続け、その前はトランスへの法的なサポートをする団体でアクティヴィズムの教育などもしていたという。そのさらに前にシスジェンダーや白人を中心とする主流社会から排除されながらも互助を続けていたマーシャ・P・ジョンソン、シルヴィア・リヴェラ、過去のトランスのアクティヴィストたちの名前を、ウィリスはブルックリンに響かせた。


 ブルックリンに、わたしはいなかった。行けなかった。けれどいつかそこに自分がいるかもしれないと想像する。


アメリカではやっと、被虐的・差別的な立場に日々置かれ、シスを当たり前とする主流の社会から聞かれてこなかった、価値のあるものと見なされてこなかった、トランスジェンダー の人々の物語が書かれはじめている。突然起こる不当な暴力に奪われてきた人生から抽出されるイメージが、その物語と重なる人々・コミュニティに還元され、持続可能なかたちにシフトするような作品が紡がれる未来に、わたしは立ちたい。



鈴木みのり
1982年高知県生まれ。ライター。「i-D Japan」「wezzy」「エトセトラ」「現代思想」「週刊金曜日」(2017年書評委員)「新潮」「ユリイカ」などに寄稿。非典型的なジェンダー、セクシュアリティや身体への関心から文学、映画などについて考える。2019年、伊勢丹メンズ館リモデル企画「自分らしさの文体練習」に参加。2018年、範宙遊泳『#禁じられたた遊び』に出演。

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『もののけ姫』
中世・室町期の日本。いまだ人を寄せ付けぬ太古の深い森の中には、人語を解する巨大な山犬や猪などの神獣たちが潜み、聖域を侵す人間たちを襲って、荒ぶる神々として恐れられていた。エミシの末裔のアシタカは、人間への怒りと憎しみによってタタリ神と化した猪神に呪いをかけられ、それを解くために訪れた西の国で、数奇な運命に巻き込まれていく。森を切り開こうとするタタラ製鉄集団とその長エボシ御前、森を守る山犬一族、そして山犬に育てられた人間の少女サン。アシタカはその狭間で、自分が呪われた理由を知り……。
監督:宮崎駿
出演(声の出演):松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、西村雅彦、上條恒彦、美輪明宏、森光子、森繁久彌 他
1997年/133分/日本 配給:東宝



『ボーイズ・ドント・クライ』
1993年、ネブラスカ州リンカーン。20歳になるブランドンは少年の格好をし、フォールズ・シティへと向かい、地元のバーでラナと出会い恋に落ちる。しかし、ある事件がもとでブランドンの“秘密”が明るみになったとき悲劇が始まった……。実際に起こった事件を基に映画化。ヒラリー・スワンクがトランスジェンダーの主人公を演じてアカデミー主演女優賞を受賞。
監督:キンバリー・ピアース 脚本:キンバリー・ピアース、アンディ・ビーネン 製作総指揮:パメラ・コフラー、ジョナサン・セリング、キャロライン・カプラン、ジョン・スロス 共同製作:モートン・スウィンスキー 
キャスト:ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー、ピーター・サースガード、ブレンダン・セクストン三世、アリソン・フォーランド、アリシア・ゴランソン、マット・マクグラス、ロブ・キャンベル、ジャネッタ・アーネット 他
1999年/アメリカ/119分 配給:20世紀FOX映画



『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』

トランスジェンダーがハリウッドでいかに描かれてきたかを、彼らを代表するオピニオンリーダーやクリエイターらが分析し、それぞれの思いを語るドキュメンタリー。
監督:サム・フェダー 出演:ラヴァーン・コックス、アンジェリカ・ロス、MJ・ロドリゲス、ヤンセ・フォード、リリー・ウォシャウスキ、アレクサンドラ・ビリング、トレイス・リセット 他
20201/107分/アメリカ
Netflixにて配信中
Netflix


『ドラゴン・タトゥーの女』
スウェーデンを揺るがせた財界汚職事件の告発記事を書きながら名誉棄損裁判で敗訴したミカエルは意気消沈の日々を送っていた。ある日、彼のもとにスェーデン有数の財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリック・ヴァンゲル老人から家族史編纂の依頼が舞い込む。ヘンリックの真の目的は40年前に起きた親族の娘ハリエット失踪事件の真相究明だった。ヴァンゲルはハリエットが一族の誰かに殺害されたと信じていた。40年前に一族が住む孤島から何の痕跡も残さず消えた少女。成功の陰に隠された一族の血塗られた過去に気づくものの手がかりの掴めないミカエルは、一族の弁護士から天才的な資料収集能力の持ち主であるとして、ある人物を紹介される。リスベットという名の女。この小柄な女の肩口から背中にかけて、ドラゴン・タトゥーが異彩を放っていた。意外なことに彼女はこの事件に異様な関心を示す。そして彼女はハリエットの日記に記された聖書にまつわる数字が、ロシアの国境付近で未解決のままとなっている連続猟奇殺人事件と関連があることを突き止めるのだった…。
監督:デヴィッド・フィンチャー 原作:スティーグ・ラーソン キャスト:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、スティーヴン・バーコフ 他
2011年/158分/R15+/アメリカ 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



『トランスアメリカ』
かねてから男性として生きることに違和感を持つトランスセクシュアルのブリーは、LAで女性として慎ましく暮らしていた。そして念願だった女性になるための手術を控えた彼女に、ある少年がNYで警察に捕まったという連絡が入る。それは、ブリーがかつて“スタンリー”という男性として生きていた17年前に生まれたという実の息子・トビーだった。想像もしなかった自分の子供の存在に戸惑うブリー…。この件を整理するまでは手術が受けられなくなったブリーはNYへ。顔を合わせた2人はひょんなことからNYからLAへの大陸横断(トランスアメリカ)の旅に出ることになる。ブリーは女性として自分が父親であることを隠したまま、トビーは俳優という夢を追いかけ、そしてまだ見ぬ実の父親を探すために…。主演のフェリシティ・ハフマンがアカデミー賞に主演女優賞ノミネートされた他、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞など、多数の映画賞を受賞。監督・脚本は本作で長編デビューを果たした新鋭ダンカン・タッカー。 製作総指揮はハフマンの夫のウィリアム・H・メイシー。
監督・脚本:ダンカン・タッカー 製作総指揮:ウィリアム・H・メイシー キャスト:フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガーズ、フィオヌラ・フラナガン、エリザベス・ペーニャ、キャリー・プレストン、バート・ヤング、グレアム・グリーン 他
2005年/103分/アメリカ 配給:松竹



『アルバート氏の人生』
19世紀のアイルランド。上流階級の人々に人気の一流ホテルで、謹厳実直なウェイターとして働くアルバート。しかし彼には、人知れぬ重大な秘密があった。十代の時、貧困生活から逃れるため、男装してようやく職を得て以来、アルバートはずっと、男性として偽りの人生を送ってきたのだった。ある日、相部屋で一夜を過ごすはめとなったことから、ペンキ屋のヒューバートに自らの素性がばれ、アルバートは慌てふためくのだが…。
監督:ロドリゴ・ガルシア キャスト:グレン・クローズ、ミア・ワシコウスカ、アーロン・テイラー=ジョンソン、ジャネット・マクティア、ブレンダン・グリーソン 他
2011年/114分/アイルランド 配給:トランスフォーマー



『ダラス・バイヤーズ・クラブ』
1985年、ダラス。エイズにかかり、自身で海外から治療薬を密輸し、他の患者たちにも販売した実在の人物、ロン・ウッドルーフの物語。その時代の多くの人と同じように、ロンはエイズが同性愛者しかかからないと誤解し、アメリカ政府の対応も遅れていた。メキシコで治療薬を入手したロンは帰国後、友人になったトランスジェンダーのレイヨンを相棒に、海外から密輸したエイズ治療薬を販売する会員制ビジネスを始める。
監督:ジャン=マルク・ヴァレ キャスト:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レト、ジェニファー・ガーナー、スティーヴ・ザーン、デニス・オヘア 他
2013年/117分/アメリカ 配給:ファインフィルムズ



『リリーのすべて』
世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー・エルベと、その妻ゲルダ。1926年デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナーは、同じく画家の妻ゲルダに女性モデルの代役を依頼される。その際に、自身の内面にある女性の存在を感じ取る。それ以来リリーという女性として生活していく比率が増していくアイナーは、心と体の不一致に悩むことに。当初はそんな夫の様子に困惑するゲルダだったが、次第に理解を深め……。
監督・製作:トム・フーパー キャスト:エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、ベン・ウィショー、セバスチャン・コッホ、アンバー・ハード、マティアス・スーナールツ
2015年/120分/イギリス/ドイツ/アメリカ 配給:東宝東和



『EUPHORIA/ユーフォリア』
「ユーフォリア」とは、幸福感や多幸感を意味する。主人公のルー(ゼンデイヤ)は、わずか17歳にして重いドラッグ中毒患者であり、薬物リハビリ施設から戻ったばかりだが、更生する気はまるでない。ルーだけでなく、同級生や友人達が抱える衝撃的ともいえる悩みを通じて、社会問題に鋭く切り込む一方で、淡々としたナレーションと、ヒップホップなどを中心とした重厚な音楽、美麗な映像とが融合。ゼンデイヤ主演×ドレイク製作総指揮『ゲーム・オブ・スローンズ』のHBO®×A24。
製作総指揮:ドレイク 他 監督・脚本:サム・レヴィンソン キャスト:ゼンデイヤ、ハンター・シェーファー、ジェイコブ・エローディ、バービー・フェレイラ、シドニー・スウィーニー 他
公式HP 



『タンジェリン』
ショーン・ベイカーが企画のリサーチ中にロサンゼルスの裏通りで出会ったトランスジェンダーの女性、キタナ・キキ・ロドリゲスとマイヤ・テイラーを役者として起用。太陽が照り付け、夏のようなロサンゼルスのクリスマス・イブ。トランスジェンダーのシンディとアレクサンドラが、街角のドーナツショップで1個のドーナツを分け合っている。28日間の服役を終え、出所間もない娼婦シンディは、自分の留守中に恋人が浮気したと聞きぶち切れ。一方、歌手を夢見る同業のアレクサンドラは親友をなだめつつも、その夜に小さなクラブで歌う自分のライヴのことで頭がいっぱいだ。そんななか、彼女たちの仕事場の界隈を流すアルメニア人移民のタクシー運転手ラズミックも巻き込んで、それぞれのカオティックな1日がけたたましく幕を開ける……。
監督:ショーン・ベイカー キャスト:キタナ・キキ・ロドリゲス、マイヤ・テイラー 他
2015年/88分/アメリカ 配給:ミッドシップ



『POSE/ポーズ』
1987年のニューヨーク。ゲイやトランスジェンダーの若者たちは母親代わりの「マザー」の元に集まり、「ハウス」と呼ばれるコミュニティで共同生活を送っていた。そして、ダンスホールに集まっては、ファッションとパフォーマンスで競い合っていた。日常生活では肩身の狭い思いを強いられていた彼らのリアルを、ボール(舞踏会)・カルチャーを通して描く。
原作・制作:ライアン・マーフィー、ブラッド・ファルチャック、スティーヴン・カナルス キャスト:MJ・ロドリゲス、ビリー・ポーター、ドミニク・ジャクソン、インディア・ムーア 他
2018年/アメリカ
Netflixにて配信中
Netflix



『サタデーナイト・チャーチ -夢を歌う場所-』
ニューヨークのブロンクス。「美しくなりたい」という思いを抑えられずにいるユリシーズは、ある夜、ストリートで出会ったトランスジェンダーやゲイのグループに「サタデーナイト・チャーチ」に誘われる。そこは静かで厳格な昼間の教会とは異なり、ダンスや音楽を楽しみながら、同じ境遇の仲間と語らう場として開放されていた。ユリシーズは、その自由な雰囲気に魅了され、少しずつ自分を解放してゆくが、ある日、隠していたハイヒールが家族に見つかってしまい……。
監督:デイモン・カーダシス キャスト:ルカ・カイン、マーゴット・ビンガム、MJ・ロドリゲス、インドゥヤ・ムーア
2017年/82分/PG12/アメリカ 配給:キノフィルムズ




『ブルックリン』
大人しく目立たない性格の少女エイリシュは、妹の将来を案じた姉の勧めで、アイルランドの小さな町からニューヨークへとやってくる。それまでとはあまりに異なる大都会での生活に戸惑うエイリシュは、しかし、イタリア系移民の青年トミーとの恋をきっかけに大きく変わっていく。洗練されたニューヨーカーとして生き生きと日々を過ごすエイリシュだったが、そんな彼女のもとに故郷からある悲報がもたらされる。
監督:ジョン・クローリー キャスト:シアーシャ・ローナン、ドーナル・グリーソン、エモリー・コーエン、ジム・ブロードベント、ジュリー・ウォルターズ 他
2015年/112分/G/アイルランド・イギリス・カナダ合作 配給:20世紀フォックス映画

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