ハマ「うれしいですね。実はちょっと前に1回飲みに行ったんだよね」
—あ、そうなんだ。
ハマ「でも、そのときは深くもなく、広い話ばかりをして」
津野「あの日はただただお酒がおいしくてね(笑)。私もずっとハマくんがどういう人か気になっていて。同世代というのもあるし。でも、表に出てるハマくんを見ていろんな人が感じると思うけど、わりとパーフェクトというか。まあ、最近は大口も叩いてるけど(笑)」
—細やかな気遣いもするし、人好きする性格だよね。
津野「そうそう。隙がないというか、人に嫌われる要素がすごく少ないなって。後ろめたいことがひとつもない感じがするんですよ。そんなの悔しいじゃないですか(笑)」
ハマ「悔しいんだ(笑)。逆に粗だらけだと思いません?」
—いや、OKAMOTO’Sというバンドにも言えることだと思うけど、「愛すべき」というフレーズが似合うキャラクターだと思うよ。
ハマ「バンドでそう言われるのはうれしいですが、実際に話すとわかりやすい人間だと自分では思ってるんですけどね。誌面やインターネット上ではそういうイメージがあるのかもしれないけど、話すと子どもっぽいと自分では思っていて」
—まあ、基本的にいつも怒ってるよね。特に人の不誠実な言動に。ハマくんと親友のBase Ball Bearのこいちゃん(小出祐介)とかもそうだけど。
ハマ「そうそう(笑)。基本的に僕もこいちゃんも怒りを原動力に動いてるから。だからメンバーのなかでもいちばん子どもっぽいと思うし。心の釘バットを持ってるから大丈夫みたいな子どもっぽさがある」
津野「危ないね、それ(笑)。ミュージシャンでよかったね」
ハマ「いや、ホントに道を間違えたらいろいろマズかったと思うよ」
津野「でも、怒りってガソリンなんでしょ? ガソリンがなくなるのは怖いよね」
ハマ「でも、世の中がこういう感じだから怒りは絶対なくならないと思う。僕がいちいち感じてるイライラの要因は街中に転がってるから。それは平和がどうとか関係ないところでの話で。街中、ガソリンだらけみたいなものですよ(笑)。自分でも生きづらいと思ってるんだけど、しょうがないなと。身体が勝手に反応しちゃうことだから」
津野「私も不誠実なことが嫌いなんだけど、あたりまえのことがちゃんとできない自分にいちばん腹を立ててるというか。それがガソリンになって曲になることが多いかも。で、曲を作ると負の要素が正の気持ちに転化されるというか」
(中編へ続く)