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『グランドピアノ~狙われた黒鍵~』のミラ監督インタビュー(前編)

共通メイン_ミラ監督


「一音でも間違えたら殺される――」。3月8日より公開の映画『グランドピアノ~狙われた黒鍵~』は、コンサートホールを舞台に、天才ピアニストが演奏中に命を狙われるという、極限の緊張感に包まれた密室型サスペンス。
監督を務めるのは、本作で長編4作品目となるスペイン出身のエウヘニオ・ミラ監督。ストーリーの重要なカギであり、劇中で“演奏不可能”と言われる難曲「ラ・シンケッテ」の作曲も手がけるなど、監督業のみならずマルチに才能を発揮しているミラ監督にさまざまな話を訊いた。今回は、その前編として、作品についての話をお届けする。後半では、主演のイライジャ・ウッドとの出会いやエピソードを紹介するので、そちらもお楽しみに!


―できあがった作品は、テキサス州ファンタスティック映画祭でご覧になったそうですね。観客の反応など、いかがでしたか?
「この作品は映画に対する、僕からのラブレターでもあるからね。今まで描かれたことのない、命を狙われながらピアノを弾き通さなきゃいけないという心理的なスリラーの物語が上手く伝わるかな?と思っていたんだけど、映画を観始めて5分くらいでみんなの反応が熱くて、上手くいっているんだと肌で感じることができました。映画祭でのレビューも99%がポジティブなものだったし、上手く観客に伝わって良かった。ちなみに、この映画祭は、実は2005年のデビュー作で参加している映画祭なんだ。その時よりも目に見えて成長していたし、この映画祭に来る観客は本当に映画に対して理解が深い。そういう意味でも、この作品を最初に見せる場所としてふさわしかったね」
―本作は、ダミアン・チャゼル氏のオリジナル脚本とのことですが、初めに脚本に目を通された時の第一印象は? 「とても素晴らしいし、美しく、紙の上では成立している内容。プロデューサーからも『面白い、みんな気に入っているよ』と聞いていたんだ。しかし、気に入ったからには、これをどう映像としてスクリーン上に落とし込むのかで少し冷や汗をかいたよ。これを映画化する監督は普通の映画の5倍は努力、仕事量を要求されるだろうと感じていたからね」

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