フィジカルには距離を置かねばならない現状に際し、アイデアや情報のシェアでポジティヴに自宅での時間に向き合うための「Self Isolation」特集。アーティスト/クリエイターによるいまの状況への向き合い方やオンラインで楽しめる情報などを随時アップデートしていく。
ファッションフォトグラフィーの概念を超え、自身が思い描くドラマティックなストーリーやコンセプトを元に、アバンギャルドなスタイルを確立させたロンドンを拠点とするフォトグラファー兼フィルムメーカーのJoshua Wilks。一つのスタイルには捉われず、ユーモアも交えながら斬新な表現方法が官能的な空間を醸し出し、人々をその世界観に引き込ませている。ロックダウンで生活が以前とは異なるものの、それを機会として捉え、与えられた時間を無駄にはせず、新たなクリエーションへと繋げている。(→ in English)
ーー新型コロナウィルス感染症(COVID-19)で生活、クリエイティヴそれぞれの面でどのような影響が出ていますか。
Josh「人生において、コーヒーは私のエネルギーの供給源に欠かせないものなのですが、ロンドンでは現在、ロックダウンの影響で全てのコーヒーショップが閉まっています」
ーーこの側面で新たに気づいたこと、心がけたいことがあれば教えてください。
Josh「時間は貴重であるということ」
ーーロックダウンに向けての精神的、物理的対応があればお聞かせください。
Josh「今は家でコーヒーをいれるんですけど、いつもとは何かが違いますね」
ーーご自身の活動を鑑みて、室内でどのような創作が可能だと思いますか。
Josh「写真家なので、家で共同生活している人々と撮影をすることもできます。DIYスタイルもいいですね。スタジオでの撮影より、オーセンティックな感じがして。私はメイクアップアーティストと一緒に住んでいるので、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)にインスパイアされたフェイスペイントのポートレートシリーズを一緒に製作しています」
ーーオンラインの活用方法や1人でもできる施策など、良いアイデアがあればシェアをお願いできますでしょうか。
Josh「自身が生み出す作品を共有するソーシャルメディアやオンラインプラットホームはたくさんあります。実際、みんな新しいコンテンツを常に探しているので、他が家で何もしないで寛いでいる中、クリエイティブになって、自身の作品を世に出せばいいんです」
ーー新たにチャレンジしてみたいことはありますか。
Josh「はい、何もしないで時間を無駄にしないことです」
ーー事態が好転し、ウィルスが収束したらしたら何をしたいですか。
Josh「ショップなどが営業を再開したら、コーヒーを買いに行きたいです」
ーー政府の施策は満足できるものだと思いますか。もしNOであればどのようなことを提案したいですか。
Josh「国民が専門家の言葉よりメディアの情報を信じ込み、パニックになる傾向がある現在の特殊な状況の中で、政府も的確な政策をとるのは困難だと思います。例えば、新型コロナウィルス感染症のワクチンは、すでに重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acute respiratory syndrome)や中東呼吸器症候群(MERS)のパンデミックが発生した際、何年も前に開発することができたかもしれません。ですが、メディアがそれを取り上げなくなった瞬間、民衆もそのことに対し興味を持たなくなり、研究もされないまま、新たな病気が発生した場合、一から研究を始めなくてはなりません。今回のように世界的なパンデミックは未来でも発生し得ることを頭に入れ、世界全体が発生した際、対応できるように準備をしなくてはならないのです」
Joshua Wilks
Instagram: @joshwilkz
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