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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#2 レイキ

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その京都でのレイキ研修の際、現在世界中でレイキと呼ばれる療法の元となった臼井式靈氣療法の創始者が靈氣の治療を発見する前に籠った鞍馬山に興味を持ち訪れてみた。いわば、レイキのルーツ巡りの道中である。
清少納言や若き義経牛若丸も歩いた道を登りながら、山の靈氣を浴びつつ尚も行くと、鞍馬寺金堂に行き着いた。
素晴らしい眺めがきく金堂前の広場中央には、六芒星が石で記されて、なんとなくその六芒星の上に立ってみると、下から力が沸き上がって来るようで、しばらく居ると心や体が十分な張りで満たされた。昔から霊山とされているだけあるなあ、としばし感心しつつ、金堂を後にし、山中を貴船の方へと歩いた。
鞍馬山には650万年前に地球にやってきた金星人伝説もあり、その金星人が祀られる森の中の魔王殿に行き着くと、なにやら空気が一変し、レイキの創始者もここの場に立ったであろうことも重なって、厳かな気になるのだった。
鞍馬山の教えである尊天信仰は、言わば宇宙の力を崇めることで、宇宙の力を使う施術であるレイキとぴたりと重なる。
やっぱり宇宙かあ、と一人心うちで感じつつ、周囲を見渡すと、牛若丸が修行に励む姿が立ち現れ、清少納言がここで得た力で枕の草紙を綴る雰囲気までもが纏わりはじめ、なんともなんともな時間だった。岩と樹々に囲まれた魔王殿は、昼前だというのに暗くひんやりとして、金星人からの授かりものとしてのレイキの施術を思ったりしながら、体が冷えきるまでそこに居続けた。
京都市中某所での日本式レイキの講習はその鞍馬山を下りた翌日から始まった。自分の体調は最悪に近く、熱、咳、鼻水で同席の方々には迷惑をかけてしまったが、そんな状態で教わった数々は、確かに身になり、自分の施術へ活かされている。和洋折衷とまではいかないけれど、西洋レイキと日本レイキを経て、そこに自分なりを加えつつ、現在の施術となっている。
先日、東京から沖縄へはるばる来てくれたクライアントの方が、施術を終え鏡に移った自分を見て、「可愛くなりましたねー」と笑顔でくれたコメントが印象に残っている。
男女に関わらず、施術後は、ふんわりと柔和さを取り戻してくれているようで、ささやかながらストレスリリースのお手伝いになっているようだ。
外側からのアプローチも大切だけれど、美しさは、宇宙といかに内側から同調し、無理なくこの世界に存在できるかということに深く関わりがあると思う。
沖縄、リシケシ、鞍馬山。この三点を心の中で結ぶ時、レイキを通して、宇宙と繋がる感覚を、より多くの人に渡せたらいいなと思う。
流しのレイキマスターとして。

(つづく)
※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#3」は3月31日(月)アップ予定。

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