記録的豪雪ながらも熱狂的オーディエンスに埋め尽くされた2月8日の代官山UNITを皮切りに大阪、名古屋と3箇所で行われたBO NINGEN来日公演にスペシャルゲストとして参加したTHE NOVEMBERS。ステージ端から互いのライヴを食い入るように見つめる両者の視線からも2組の相思相愛ぶりは見てとれたが、なぜ彼らがそれほどに惹かれ合い、刺激を与えあうことになったのか。対バンツアーが成立するまでの経緯、互いの音楽性やヴィジョンについてBO NINGENのTAIGEN(Vo/B)とTHE NOVEMBERSの小林裕介(Vo/G)に語ってもらった。
(前編より続き)
ー2組を観ていると、アメーバ的というか、得体がしれないくらいどこにでも伸びるんだけれど核はあるというそういう部分が共通していますよね。
TAIGEN「そうですね。さっき小林くんも言ってたけど、自分たちを感動させる、自分たちを楽しませなきゃいけないというのはウチらもそうで。サイケ、メタル、ファンクとか、僕らは色々言ってもらえるけど、その一つのジャンルに収まりたくない。枠が決まったうえでの様式美は嫌だし、つまんなくなっちゃう。どのバンドも各メンバーが聴いてる音楽は違うんですと言うけど、やっぱり出来てくるものは一つのシーンに入っちゃったりするじゃないですか。でも僕らは出来るだけ、ジャンルというフィルターじゃなくBO NINGENというフィルターを通して自分たちの作品に落と込む。『この曲はこういうインフルエンスなんでしょう?』とか言わせないくらいちゃんと消化出来るように、ちゃんと自分たちの色に染めるようにというのは意識していて。それが自分たちを楽しませることでもあるし、新しいジャンルやリファレンスは毎日、毎月、毎年変わっていくものだからやっていかなきゃいけない。実は僕は意外と保守的なんだけど、メンバーはもっとこうした方がいいんじゃないかという意見もあるから、そのバランスもちゃんとあるし」