年齢は単なる数字であって、オトナになるという境界線は人ぞれぞれ。定義できないからこそ、誰もが答えを探している。多感で将来のことを考え始める14歳の頃、みんなは何を考えてどう過ごしたのか?そんなファイルを作りたいと始まった「14歳」特集。東京、NYに続くベルリン編には、年齢やバックグラウンド、仕事の異なる個性豊かな15名をピックアップ。
トップバッターを飾るのは最年少15歳の高校生レン。インディペンデントマガジン『032c』でのインターンシップという素晴らしい経験をしたばかりの彼は今、そして未来をどう考えているのだろうか?最近の生活と彼が受けた影響について尋ねてみた。(→ in English)
ーーこんにちはレン!まずはじめに自己紹介してください。
レン「僕はレン、15歳。生まれも育ちもベルリン。スケートボードが好きで、普段は友達がいるミッテのスケートパークで滑ってるんだ。僕の住んでいるシャルロッテンブルグ地区にはあまりスケートパークがないからね」
ーー14歳のときはどうでしたか?
レン「すごくよかった。楽しいことも多かったし。正直14歳と15歳ってあまり大きな違いが見えないんだけど、とても早かったよ。特に13歳から14歳は大きなジャンプだったかな、少し大人になったように感じたんだ」
ーー14歳のときにどんな24時間を送っていたか、円グラフに書いてみてください。
ーーでは、14歳のときにどんなことを考えていましたか?
ーー将来の夢は何ですか?
レン「ファッションデザイナーになりたい。楽しそうだし、自分のクリエイティビティを生かせると思うんだ。2年前、すごく退屈でデザインを描き始めた。それにワードローブにある服も好きじゃなくて、自分自身のスタイルをし始めたよ」
ーー好きなデザイナーはいますか?
レン「コム デ ギャルソンの川久保玲」
ーーファッションに関するインスピレーションはどうやって見つけていますか?
レン「正直なところインスタグラムかな。でもかっこいいものだけじゃなくてイケてないものもたくさんあるよ。あと、お母さんもたくさんアドバイスをくれるし、学べる。昔モデルをしてたから、ファッションについてよく知ってるんだ」
ーーいいですね!ところで『032c』で2週間インターンシップをしたとお伺いしました。なぜ『032c』で働いたのですか?
レン「僕の学校では9年生(ドイツの高校ことジムナジウム、15歳)のときにみんなインターンシップをしなければいけないんだ。来年もインターンシップをしなきゃいけないんだけど、次はソーシャルワークで国の運営する機関しか行けない。例えば学校とか幼稚園とかね。行きたくないところに行ってインターンシップを無駄にするなんて絶対にしたくない。それで『032c』を選んだよ。最初は自分で申請したんだけど、少人数のチームだからインターンをゲットするのは難しくて。たまたま友達のお母さんが『032c』のMariaと仲がよくて、彼女がインターンシップできるように助けてくれたんだ。僕はとてもラッキーだよ」
ーー実際にインターンをしてみてどうでしたか?
レン「最高!とても楽しかった!」
ーーインターンシップからどんなことを学びましたか?
レン「僕はアパレルチームにいたんだけど、セールス、デザイン、ドローイングなどたくさんのことを学んだよ。特にデザインと組織がいかにハードであるかを学べたことはとてもよかった。間違いなく自分の将来について考える手助けになったよ。だってこの仕事のようなビジネスについて理解できたからね。もしファッション産業で何か始めるとしても、何をすべきか分かってるんだ。このインターンシップは僕に新しい見方を与えてくれたよ」
ーーとても素晴らしい経験ですね。14歳のときに影響を受けた、大好きだったものはありますか?
レン「『AKIRA(1988)』を見て、とても大きな影響を受けた。それから日本のアニメに夢中になって、これまでたくさん見てきたよ。最近だと『Hunter × Hunter』を見たし、好きなアニメは『残響のテロル』。すごくいいよ。日本語音声に英語かドイツ語の字幕をつけて見るから、アニメから日本語を少し学べるんだ。例えば“Titan(タイタン)”は“巨人”とか」
ーーよく知ってますね!
レン「あとマンガを読むのも好きで、部屋にはたくさんのマンガコレクションがあるんだ。『ワンピース』や『ナルト』みたいにアニメは時々シリーズやストーリーが多すぎるから、マンガを読むのが好き」
ーー最後に、いま14歳を生きている人たちへ伝えたいメッセージはありますか?
レン「のんびり慎重に。やりたいことをやる。ほかの誰かになる必要なんてないよ」
@lennslept:https://www.instagram.com/lennslept/
photography Tereza Mundilová
text Yukiko Yamane
(This interview is available in English)