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デヴィッド・リンチの寵愛を受けるNYの3ピース、Au Revoir Simoneが語る音楽、ファッション、そしてクリエイティヴであること(中編)

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ー4年ぶりに日本に来て、街並みや雰囲気に変化を感じたりしますか? 

ヘザー「同じように感じるけど……そんなに変わってないかなぁ」

エリカ「まだ日本に着いたばかりで、寝て起きたばかりだけどね(笑)」

ヘザー「そうそう。とりあえず渋谷は変わってないってことで(笑)」

エリカ「もちろん馴染みのある風景もあるだろうけど、色んな街を旅して、新しい何かを発見できたらいいな。東急ハンズの新商品(一同爆笑)や、ファッション・トレンドもチェックしたいわ」

—原宿にオープニング・セレモニーがありますよ。もともと渋谷にあって、アザー・ミュージックも入ってたんです。初めてNYに行った時、アザー・ミュージックによく通いました。 

エリカ「私たちがバンドを始めた時、アザー・ミュージックにCDを置いてもらって、結構売れたのよ。ディストリビューション会社を通さずに、CDを作ったら直接アザー・ミュージックに持って行って……あの頃はDIYだったな」

アニー「エリカがCDプリンターを持っててね。そこにCDを入れて、デザインがCDにプリントされるの。それから厚紙のスリーヴにシルクスクリーンで印刷したわ。それを1000枚くらい作ったのよ」

ー1000枚も!?

アニー「初めは10枚、それから20枚って感じだけ……。アザー・ミュージックがすごくサポートしてくれて、ディスプレイに入れてくれたり、ニュースレターでも宣伝してくれたの。それでCDが売れたから、エリカのプリンターで何度も何度もCDを作ったのよ(笑)。2004年かな。バンドを始めたのが2003年だったから」

エリカ「2005年には、ちゃんとしたディストリビューションやプレス会社にお願いできるようになったから、自分たちでは作らなくてもよくなったのよね」

アニー「そしてラリー(レーベル)に出会ったのよ(笑)」

 ーあなたたちのファンの中には、普通の音楽ファンもいれば、ミナ・ペルホネンやagnes.bとのコラボレーションをきっかけにファンになった人もいると思います。たとえば音楽を作るうえで、ファッションから影響を受けることはありますか? 

エリカ「あると思うわ。もちろん私たちは女性だから、男性よりもファッションを楽しむと思うし(笑)、ファッションを通じて何かを表現できるとも思うし・・・…」

ヘザー「私たちは10年くらいバンドをやっているけど、音楽とファッションの繋がりがどんどん近くなっていると思うの。最近ではモデルや女優に加えて、ミュージシャンがキャンペーンに使われたりしているしね。小さいブティックじゃなくて、GAPみたいな大きい会社がそうしているでしょ?」

アニー「miu miuとかね(笑)。私たちが出演したmiu miuのビデオ観た?」

ヘザー「そうそう。私たちもmiu miuのイメージビデオに出ているのよ。ジアダ・コグランデっていうイタリア人の女性監督がビデオを作ることになって、その人が私たちの曲を気に入ってくれていたのよ。それで、私たちがビデオに出ることになったの。曲も作ったのよ」

アニー「私たちは魔女だったのよね!」

ヘザー「そう。miu miuのドレスを着た魔女ね。音楽とファッションをアーティスティックな形でブレンドさせるのは、とてもいいアイデアだと思ったわ。音楽とファッションの両方が引き立つ仕上がりになるしね」

アニー「誰かが‘ファッション界は芸術のパトロンだ’って言っていたよね。ファッション界が、私たちの生活を支えてくれるって感じ(笑)?」

エリカ「彼らが芸術界の女性をサポートしているってことね」

ヘザー「90年代のファッション業界はいまより商業的にアーティストと雇っているって感じだったけど、今はもっとクリエイティヴな面を重視しているよね」

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