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デヴィッド・リンチの寵愛を受けるNYの3ピース、Au Revoir Simoneが語る音楽、ファッション、そしてクリエイティヴであること(前編)

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ー自然とこういう感じになったということですか?

エリカ「そうね。曲を作っていって、自分たちのフィーリングで決めていったの。とくにダークなアルバムを作ろうとかいうコンセプトはなかったわ」

アニー「でも、コントラストの強いものを作ろうという気持ちはあったかもね。明るいネオンサインに対して暗い夜とか・・・…。前のアルバムは、もうちょっとぼんやりしたところもあったけど、今回はもっとパンチが効いていると思うの。それは意図的なものだったわ」

エリカ「前のアルバムはノスタルジックな部分もあったけど、今回はもっとコンテンポラリーな感じね。ドラムなんかも新しい機材を使ったしね。もっとシャキっとしたモダンなサウンドのドラムにしたかったの」

アニー「実はジェイ・Zとか結構聴いていて(笑)、最近のヒップホップ・ドラムを気に入っていたのよ。実際に、エレクトロニック界のポップソングでもそういうサウンドが取り入れられているしね。踊りたくなるようなドラムサウンドが欲しかったの。そういうサウンドを取り入れつつも、エモーショナルな楽曲を作りたかったのよ」

‐ほかに、アルバムを作っていた時にハマっていたアーティストやアルバムはありましたか?

ヘザー「皆それぞれに色んな音楽を聴いていたんじゃない? メンバーが少し離れて過ごしていた時期もあったから、それぞれ色んな経験をしたと思うの。エリカはソロ・アルバムをリリースしたし、私は大学の研究所で反復的な作業をしながら色んな音楽を聴いていたし、アニーはヒップホップにハマったしね。(今回のアルバムでは)ホントに色んな音楽がブレンドされたと思っているわ」

エリカ「私は個人的に80年代の音楽ね。ソロ・アルバムを作っている時は、フィル・コリンズのドラムを注意して聴いてたけど、今回のアルバムではマドンナみたいなダンス・ミュージックとかかな……」

アニー「私はサンティゴールドが好きよ」

全員「あー、すごくいいよね!」

アニー「それからソランジュのEPとか……」

ヘザー「私はビョークの『バイオフィリア』。あのアルバムが大好きなの。それから映画『ドライヴ』のサウンドトラック。最高のサウンドトラックよ」

ー音楽的な部分で、今回とくに追求したり意識したような部分はありますか?

ヘザー「私たちはキーボード・バンドという縛りがあるし、そのなかで3枚のアルバムを出しているから、4枚目のアルバムでも同じくキーボード・バンドとして、何か違うことが出来るか?ってことかな(笑)。あと、今回のアルバムでは本物のドラムやギターを使っている曲もあるし(“Crazy”と“Love You Don’t Know Me”)……」

アニー「あれはギターじゃないよ?」

エリカ「ベースね」

ヘザー「“Crazy”のあのパートよ?(歌ってみる)」

アニー&エリカ「アレはベースよ!」

ヘザー「ベースなの? そういうことみたいね(笑)。今までのキーボードのみのアルバム制作に加えて、そういう新しいチャレンジは楽しかったわ」

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