—うん、売れるだろうし、いい本だと思います。会ってすぐに本を作ろうとなるような、そんなスペシャルな出会いがあるのもいいですよね。それもお互いがちゃんと人と向き合ってるからできるということもあるでしょうし。
植野「私、本当に分かりやすいですよ。仕事のお付き合いはちゃんとしますけど、プライベートでは本当に自分がいいと思った人としか交わりたくなくて(笑)。FIGを始めてから閉鎖的になってしまっています。それまでは人間好きで、ご飯に誘われたら断る理由なんてないって感じでしたけど、FIG&VIPERというブランドが付いてくると、好き嫌いではなく、みんなに均等に良い対応をしないとブランドのイメージが下がってしまうし、会社にも迷惑がかかってしまう。だから社会人になってから社交の場に行かなくなりました」
—背負っているものがありますからね。社交の場に行かなくなったということですが、各国にいるインスタのitには積極的に会いに行っていますよね。あれはどういう経緯で?
植野「元々は共通の友だちから知り合った人たちばかりです。以前は友達以外をあまりフォローしてなかったんですが、最近は共通の友達がいてかわいかったりしたらフォローすることもあって。そうすると大体相手がフォローしてくれていて繋がるという感じです。フォロワーが多いit girlには商品を送ったりすることもあって、そうすると現地に行った時に、共通の友達同士で『有砂が日本から来てるから集まろう』って集まってくれてまた広がるという感じですね。
それ以外で唯一会ったのはロンドンの女の子で、私が彼女のTumblerのファンで、2年くらいずっと見てて、載っていたメールアドレスにコンタクトをとりました。
インスタから知り合って、それだけで会うのは怖いですよね。写真だけでその子がどんな子か分からないし、フォロワーが多くても実は近くにいる人には嫌われていたりという人間関係もあるから慎重です(笑)。大体みんな10代だったり若いですし」
—確かに。その交流に関しては仕事の一環なのか、どういうモチベーションでやってるんですか?
植野「それこそ探究心というか、興味です。その海外のイケてる子たちはどんなことを考えてて、どこで買い物して、どんな遊びをするんだろうというのを知る、観光に近い感じです。しかも大体みんないい子なんですよね。東京もそうですけど、イケてる子たちは意外といい子だったりしますよね。それに東京というものにも興味を持ってくれてる人が多い。日本人より外国人の方が旅行に対して腰が重いから、行ったことがない東京に憧れててクールだねって言ってくれるんです。そういう海外の子に対しての壁はあんまりなくて、知りたいという気持ちが大きいです」
—じゃあ日本でFIG&VIPERをやる前に人間関係に対して持っていたモチベーションが海外に向かってるんですね。
植野「そうですね。彼らとはしがらみがないのでいやらしいこともないし、楽です(笑)」
田口「大人になったらどんどんしがらみが増えるよね。有砂ちゃんとも仕事では会ってるけど、実はまだ遊んでないしね。発売してからにしようって。機会はあったけど、逆に気を遣っちゃったりする。ハタチくらいでタメだったらとりあえず飲もうって感じだったけど、いざそのノリで仕事した時に違う要素が入ってきたら仕事にも響くから、逆に機会をちゃんと待つことで大事にしてる部分もある。スムースに無理なく友だちになれるときだったらそうなるし、そうじゃないやり方で関わったら無理がないようにタイミングを待つ(笑)」