—ちなみに有砂さんがインスタを始めたのはどういうきっかけですか?
植野「約2年半前に友達に加工アプリとして教えてもらって、加工アプリだと思って使ってたら画像が知らず知らずにアップされてたんです(笑)。もっといい加工アプリがあるから全然使ってなかったんですけど、ツイッターで画像を上げるときにインスタだと早いと教えられてツイッターのためにまた使い出して。それがいつからか海外に行くと『フェイスブックのアカウント持ってる?』から『インスタは?』って聞かれるようになったので、そういう交流のツールになってるんだと知ってからは英語で書き出しました。見ていなかった間にもフォロワーが増えてて、遅まきながらアプリの特性がわかっていった感じです(笑)。
でも未だにどうして早い段階で1万人くらいのフォロワーがいたのか分からないんですよ。ツイッターのフォロワーがいたにしても、当時はインスタの日本での普及率はそんなに高くなかったし、おそらく偶然に連鎖しただけだと思うんです。
ただ、一枚の写真を載せると10万人以上の人に見てもらえるチャンスがあるからにはなるべく質のいいものを発信しないといけない。フォロワーが3万人くらいになってきたときから、単なる加工や画像アップのためのツールという意識ではなくなりましたね」
—それは自分もしくはFIG&VIPERの表現のためのツールに昇格したということですか?
植野「冷たい言い方になってしまいますが、FIGのことだけを考えてはいないんです。今はFIGだけど、10年後に109で店を持てているかというとそれはリアルじゃないですよね。だからといってFIGが片手間ということではなく、もちろん全力でやってます。でも私はリアルさを大事にしてるので、今後どうなるか分からないのがリアルだとしたら、私は自分自身として発信しようと。
なので、私が管理しているものの、FIGのアカウントは別で作ってます。FIGのアカウントの方がフォロワーは少ないので、私のアカウントに商品を載せた方がリアクションはいいけれど、そこは差別化して、私は植野有砂という人物として発信しているんです」
田口「リアルが大事っていいね」
植野「私は今支持してくれている子たちに、今じゃないと発信できないんですよ。お互いが大人になると、まず人を支持するということ自体が薄れていきますよね。それよりも自分の生活、家庭があるから。かと言って、私が27,8歳になった時に10代の子たちに響くかと言ったらそれは難しい。だとしたら“今の私”を発信するのが今は一番大切だと思います。
いやらしい言い方ですけど、私が同年代の子にいいと言ってもらえるのは、“なれそうだけど、なぜかなれない”という絶妙なラインだと思うんです。でもね、それも実際は行動力さえあればできることしかやってないんです。もちろんチャンスや幸運もあるけれど、基本は時間を作ってやれば出来ることがいっぱいあるから、みんなが『私も頑張ろう!』と思うことが支持に繋がっているんじゃないかなって。だからどうしてもリアルは大事なんです」