—関わっている人が安心して進んでいるのを見れていられるのは、まきさんの編集スキルが高いんだと思います。ちなみに、まきさんが気に入ってるページは?
田口「例えば気に入ってる写真は、東京の部分ですね。最初の、みんなで集まっているところとか。足の怪我をレタッチで直さないのがカワイイなと思って。モデルだとこんな感じにはならないじゃないですか。ちょっとやんちゃ感があっていいですよね。こういう、普通の編集の人だったら載せないような写真は何枚か入ってます。スタイルブックなのに有砂ちゃんのセミヌードっぽい写真もあるし。そういう遊びは少しできてるかな」
植野「私はパリの見開きで使ってる写真とか……見開きが私のお気に入りという傾向もあります(笑)」
—有砂さんって写真によって別人のように見えます。ガラリと印象が変わりますよね。
植野「写っているのが顔の右なのか左なのかだと思います。右と左では全く顔が違うんです。だからそれで相当顔が変わるんですよね」
田口「いろんな髪の色を入れようというアイデアもあったね」
植野「そうなんですよ。今言ってくださった“別人”というのは私にとって嬉しいことなんです。私がデザインしてるFIG&VIPERというブランドは、系統が定まってないんです。漠然としたイメージは抱かれていても、セクシーにもなればロマンティックにも、ストリートになったり、私の気分で成り立ってるんです。それは女の子の特徴でもありますよね。
土曜日で男の子とご飯に行くからちょっとモードにキメてとか、今日はイケてる子たちが集まる女子会だからトレンドの服を着て行こうとか、そういうのが女の子だから、私もそれをコンセプトに服をデザインしてるんです。だから別人に見えるというのは、ブランドにとっても私にとってもプラスな印象ですね」
(中編へ続く)