—有砂さんから見て、まきさんの印象はどうでしたか?
植野「私が今まで出会ったことのないタイプでした。日本の“カワイイ”女の子を網羅してるうえに、ご本人もすごく女の子らしくて。私が全く知らない分野の話を色々聞いて、そういうことをしている人たちもいるんだって新鮮だったし、勉強になりました。作品撮りをどういう風にしたいかという提案も入ってきやすかったので話も早かった。それで実際に撮影したのがパリなんですよね」
田口「そう、いきなり始まったよね(笑)。夜中の1時か2時くらいに、住所もらってタクシーでバーって駆けつけて撮ったんだよね」
植野「ヨレヨレでしたよね、お互い(笑)」
—というと、海外で撮影しようというのが最初から二人の中であったんですか?
植野「ちょうど向こうに行く時期が被ったんです」
田口「最初の打合せの時は、お風呂場でファーのコートを着て撮ろうよ!とか、わりとゆるく話してて。パリのホテルだったら装飾もきれいだからいいよねとか。でも特にコンセプトを決め込んでというよりも、取りあえず行って撮ろうよというラフな感じでした。パリで夜に会ったときの写真も、そういうリアルな雰囲気が出てますよね」
—偶然だったんですね。でもこうしていろんな国で撮った写真が出ていることで、有砂さんが実際に各国を飛び回っているスケール感が出てますよね。ちょっと話が前後しますが、まきさんは、色んな目立ってる女の子がいる中でもなぜ有砂さんに白羽の矢を立てたのか聞きたいです。
田口「今私がもし10代だったら目の色を変えてインスタをやりまくってただろうなって思うんですよ(笑)。『友達100人できるかな』って歌があったけど、今の子だと本気でイケてるアカウント作れば友達が10万人とかできる。それってすごいことだし、すごく面白い。その面白いことが起きてることへの期待感やワクワクがあって、その中で見つけたのが有砂ちゃんだったんです。まさにその楽しさみたいなのを体現してる東京の子。
見た目もカワイイし、単にインスタだけやってるんじゃなくてブランドもやってて。それより以前に109で『TOKYO』ってボックスロゴのTシャツを最初見たときに『何これすごい!?』って思って。90年代のストリート感が半端なくて、すごくかっこいいブランドが109に出てきたと思って見てたんだけど、それが有砂ちゃんのブランドと知ったときに、『やばい!繋がったよ、キター!!!』ってなりました(笑)。有砂ちゃんに引っかかるポイントは何重にもあって、それがババババッと繋がったタイミングが去年の春くらいだったんです」
—確かにあのボックスロゴはびっくりしましたよね。そこから即行動にうつすまきさんもやっぱりすごいです。実際にパリで初の撮影して、そこから本の作成期間としては半年くらいですか?
植野「半年くらいですね。最後の3ヶ月くらいはほぼずっと一緒にいました(笑)」
田口「有砂ちゃんのスケジュールを全部把握してる感じ(笑)」