NeoL

開く

ミクシィなど4社が手掛ける人口生命アンドロイド「オルタ3」が歌声を披露!

S__244637702


2月28日、東京・新国立劇場でミクシィ、大阪大学、東京大学、ワーナーミュージック・ジャパンによる「4社共同研究プロジェクト合同記者発表会」が行われ、人工生命を搭載したアンドロイド「オルタ3」が、オペラの指揮と歌のパフォーマンスを披露しました。

オルタ3は、人間とのコミュニケーションの可能性を探るために開発されたアンドロイドです。顔と腕の部分には人の肌を感じさせる素材が使われているものの、それ以外は銀色の機械が露出した外見。その抽象的な見かけや動きから、対峙する人間の想像力を喚起するのだそう。「日常」の中に「非日常」を持ち込む、新しい形のバーチャルリアリティの実現を目指しているといいます。

発表会には4社関係者のほか、音楽家らが登壇。人工生命を搭載したアンドロイドであるオルタ3の開発プロジェクトについて報告を行いました。また、発表会の最後には、オルタ3によるオペラの指揮と歌のパフォーマンスが披露されました。



オルタ3が今回演じたのは、アンドロイド・オペラ「Scary Beauty(スケアリー ビューティー)」です。バイオリン、チェロ、クラリネットの奏者ら約30人のオーケストラの前にオルタ3が立ち、指揮を取る姿を披露。両腕を上下や左右に大きく振り、体も左右に動かすなど、全身を使って指揮しました。銀色のボディーからは想像もつかないほどのなめらかな動きを見せました。曲の中盤では、オーケストラから報道陣の方に向きを変えて高音の歌声を披露する場面もあり、会場全体が楽曲の世界に包まれていました。

同プロジェクトを企画したうちの一人は、この日ピアノ奏者として演奏にも参加した音楽家の渋谷慶一郎さん。オルタ3のパフォーマンスについて「かなり人間に近い動きをしますが、ちょっとした戸惑いを感じさせるような動きをすることもあって、その『不完全さ』が面白いです。命ないものに命を与えるプロジェクトとしてこれからも挑戦し続けたい。アンドロイドにしかできないこと、人間にしかできないことを掛け合わせてドキッとする瞬間を作っていきたいです」と意気込みを語りました。

また、同劇場の芸術監督で、世界的指揮者でもある大野和士さんは「アンドロイドがどんどん発展したら、私の仕事も危ういですね」と冗談交じりに語っていました。

今後オルタ3は、海外でも公演を行うほか、来年8月開催の「新国立劇場 2020年特別企画」で上演される新作オペラにも、物語の中心的な役どころで出演することがこの日発表されました。

そして「4社共同研究プロジェクト」は、オルタ3が科学技術と芸術をつなぐことで、互いに発展させていくことを目指していくといいます。世界から注目が集まる2020年に行われる予定の新作オペラにも注目ですね。

RELATED

LATEST

Load more

TOPICS