ハマ・オカモトを筆頭に数多くの音楽家に敬愛される水野創太が初の作品『晩安宝貝(わんあんばおべい)』をリリース。3ピースバンドEdBUSとして、2005年にアルバム『Choose to Go』でデビュー。まるで短編小説を読み終えたかのような繊細な余韻を残す水野の楽曲は、静かにファンを拡大している。2018年冬、自身のレーベル「WALTZ」を立ち上げるとともに、待望の初音源『晩安宝貝』をリリースする彼の動向に注目したい。
水野創太の歌が好きだ。地面に伸びたどこまでも付いてくる自分自身の影を引き連れながら、ときに仲間と一緒に、ときに孤独を選びながら、地元の商店街から共通言語を持たない人々が市井をつくっているはるか異国の地まで。そうやってどこまでも歩き続けるような、至極個人的なロードムービーを観るような水野創太の歌が好きだ。
苦笑いは捨てたかい? スニーカーの紐を結ぶときは力強く。音楽に嘘をついちゃいけない。人生はこんなにも刹那的で、ふくよかだ。
そう、大切なことだけをつかまえようとする水野創太という歌うたいがいる。ボブ・ディランとルー・リードを敬愛する水野は、かの先達がそうであるように愚直なまでに音楽至上主義を貫き、誰にも似ていない、しかし誰しもに”この感覚を確かに知っている”と思わせる歌を紡ぐ。
父親の仕事の関係で幼少期をインド、高校時代の一時期をアメリカで過ごし、帰国後に友人たちとEdBUSというバンドを結成。2005年にミニアルバム『Choose to Go』をリリース。2008年にはズットズレテルズやOKAMOTO’Sのメンバーになる前のハマ・オカモトがサポートベーシストを務めていた。
ステージ上の水野は、青い炎を揺らすようにして、いつも静かに苛立っているし、渇望している。その剥がれ落ちない緊張感こそが水野の音楽の求心力となる。ミュージシャンズミュージシャンと呼んでも過言ではないほどに彼の歌に魅了されている同業者は多い。
この『晩安宝貝』という作品は、本当は2017年にリリースされるはずだった。本作をどうやって着地させたらいいかわからなくなっていた水野を知っている。そうなることも理解できる。これまでずっとその喉とギターで、あるいは仲間たちと鳴らし続けてきた水野の超主観を閉じ込めた歌たちだから。しかし、だからそう、水野はもっと多くの人々と出会うことを本質的に求めている自分の歌たちを信じるべきだ。この歌たちはずっと下北沢の小さなライブハウスという巣箱から飛び立ってみたいと思っていたはずだ。しかるべきときに帰巣するから、大丈夫だと。
「音楽の動機は音楽であって、スポットライトを浴びたくて音楽をやっているんじゃないということを忘れないようにしている」
水野はそう言っていた。今もそうだろう? 君の歌が誰よりもそれを知っているよ。 みずそー、おめでとう。
三宅正一
水野創太
『晩安宝貝(わんあんばおべい)』
(WALTZ)
Now on Sale
1,500円(税抜)
収録曲:1. スローダンス 2. 夜間飛行 3. ウォーアイニー 4. ナイトライン 5. パッセンジャー
取り扱い店舗
・タワーレコード渋谷店(タワーレコード渋谷店限定特典有り)
購入可能店舗は随時更新/HP参照
Tower Records
Apple Music
第一回「晩安宝貝」リリースパーティー
出演:水野創太と彼の友達
日付:2019/2/24(Sun)
場所:下北沢GARAGE
時間:オープン17:30 / スタート18:00
料金:前売り¥3,000
チケット取り扱い:GARAGE店頭/予約、他
http://www.garage.or.jp
水野創太
HP https://mizunosota.com/
Twitter https://twitter.com/mizno_sota