風景や木々といったモチーフを幾何学的なパーツに分解し、具象と抽象の境界をなぞるようなペインティングで知られているベンジャミン・バトラー。
オーストリア、ウィーンを制作活動の拠点とし、ニューヨーク、ロサンゼルス、ウィーン、バーゼル、ベルリンなど世界各地で個展を行っている彼の個展が、渋谷ヒカリエ8Fの8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryで開催されている。
今回の展覧会は、ベンジャミン・バトラー本人の希望で、アーティストの杉戸洋が展示構成を考えた。
単純化されたフォルムやコントラストがはっきりした色、多様なブラッシュストロークは、ピエト・モンドリアンや、アメリカ抽象表現主義のフランク・ステラ、バーネット・ニューマンの作品を想起させながら、美術史の定義やジャンル分けの垣根さえも忘れさせるような奥行きをも秘めている。
すべての人にとってもっとも身近な存在であり、数々のアーティストが取り組んできた“自然”に取材しながらも、オリジナルな絵画のあり方を追い求め続けているバトラーの最新展「Selected Trees」 は、1月29日(水)から。