アート、デザイン、建築などマルチなフィールドで活躍する吉岡徳仁の、過去最大規模の個展が開催中。
「自然から生み出される。」をキーワードにした今回の展示は、白いストローを無造作に積み上げたかのようなユニークなインスタレーションから始まる。吉岡の作品で印象的なのは、クリスタルやガラスなどの透明な素材と、それが自然に作り出す「光」。
会場に一歩足を踏み入れると、まるで真っ白な色のない世界に迷い込んだかのような不思議な感覚になる。ガラスが固まる瞬間に生まれる表面の波紋をそのまま生かしたベンチ「ウォーターブロック」や、チャイコフスキーの「白鳥の湖」を聴かせながら水槽の中で自然結晶を成長させた「白鳥の湖｜結晶の絵画」、組み合わせたクリスタルプリズムの光の乱反射がステンドグラスのように美しい「Ray of Light」など、計算されたものではなく、偶然生まれた美しさを閉じ込めたといえる作品たち。作品自体も、作品が作り出す光景も、息をのむほどきれいで、見ているだけで心地いい。
「吉岡徳仁－クリスタライズ」
開催中〜2014年1月19日（日）まで
会場：東京都現代美術館（東京都江東区三好4-1-1）
