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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#58 疲れをとる

NewMoon_| Photography :  Meisa Fujishiro
 

 疲労に直結する食事に関しては、様々な食事法が存在しているのだが、質、量、タイミングが大切だと思う。質には、食材の新鮮さという見方だけでなく、内容・バランス・回数も含まれ、これはアスリートとデスクワーカーとではおのずと違うように、それぞれのライフスタイル・年齢・性別・気候などに合わせて、それぞれが自分に見合うものを見出していくしかないのだが、量は腹7、8分を適量とするのが主流である。身体に過度の負担をかけないことが疲労を避けるための必要条件なので、これはいいと思う。タイミングについては、食事法にも関係してくるのだが、三食取る時間をある程度決めて、規則正しい生活を促し自律神経を乱さないようにすることが大切だ。
 

 私の現在の食生活を簡単に説明すると、炭水化物などの糖分は控え目にし、動物性油脂も極力摂らない他は、それほど気を使ってはいない。脳内労働と肉体労働、夕食は、傷ついた筋肉などを睡眠時に修復するために、タンパク質をしっかり摂り、ビタミンもサラダやフルーツからたっぷり摂り、炭水化物を夕食に少しだけ摂ると寝つきがいいという説もあるが、個人的には取らない方が胃腸内をすっきり保てるので、炭水化物は朝と昼に少しだけ摂るだけだ。ただ、全体としては、神経質にはならないようにしている。過度の目標は、ストレスにもなりかねない。方向さえ合っていれば、良しとしている。
 他には就寝前のストレッチも睡眠中に老廃物をスムースに排出するために心がけている。就寝前のスマホやネットなどで脳を興奮させないようにも気をつけている。
 ただ、それらにしても眉間にしわを寄せて避けるというよりも、自然にできる範囲で自分を仕向けているだけだ。拘りというのは、往往にして心に偏りと凝りを生みがちなので、柔軟性を保ちたい。
 

 歴史上や現代の賢人の本を開いて、1日を終わらせるのもいいだろう。昨夜読んだベトナム人僧のティク・ナット・ハンさんにこんな言葉ある。
 

 私は息を吸います。
 そして、私が生きていることを知ります。
 私は息を吐きます。
 そして、私の中にある人生と、
 私の周りのすべてのいのちに微笑むのです。
 

自分を疲れさせないために、すべてのいのちに微笑むのではなくて、すべてのいのちに微笑むから自分も疲れない。自分の歪みだけを見て、自分だけのバランスを取るのではなく、世界の歪みを正すために、自分が小さな発端となって、世界に微笑みかける。視界が広がると、浅かった呼吸も、自然と深くなる。





※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#59」は2018年10月9日(火)アップ予定。

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