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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#58 疲れをとる

NewMoon_1| Photography :  Meisa Fujishiro

 一例として骨盤もどし運動を紹介したい。人体を横から見て、座った時に耳、肩が地面から垂直に伸びた線に並ぶように正しく椅子に座り、肩の力を抜きリラックスする。手は体の真横に起き、椅子の縁をつかむ。その次に左右に小刻みに揺れながら、お尻を片方ずつ浮かして揺れ続ける。背筋、肩甲骨、肩、首がほぐれるまで続ける。無駄な力を抜き、柳が揺れるようなイメージで行うといい。

 また、肩こりは肩ではなく肩甲骨まわりが緩んで、その緩みのバランスを取ろうとして肩を固めてしまうことが原因なので、対症療法的に肩ばかり揉んだりしてもすぐに元に戻ってしまう。視点を変えて、背中の上部左右にある肩甲骨周りの緩みを締めなおすといい。ボートを漕ぐように両手を後ろに引いて肩甲骨を背面の背骨へと引き寄せる動作を繰り返すとバランスが戻り方の血流を促して凝りを除いてくれる。

 足を組みたくなる時は、骨盤の筋肉が緊張してストレスを感じているため自然にストレッチをしようとしている状態。席を立って臀部の筋肉のストレッチを休憩がてらできればベストだが、できない時は、左右交互に足を組んで、バランスを損なわないことが大切だ。


 人間の体というのは、本来じっとしているためでなく、動き続けられるようにと設計されているので、止まっているよりもゆったりと動き続ける方が疲労を貯めない。時々伸びをするだけでは不十分で気分転換ぐらいの効果しかない。もっと積極的に身体を効果的に動かすことが大切だ。筋肉というのは、骨を間に別の筋肉が向かい合っていることが多く、どちらかが緩み、どちらから縮むことで力を発揮する。どちらか一方だけが縮みっぱなしで、一方が緩みっぱなしになって固定されることが歪みとなり、痛みとなるので、それらを逆に働かせることで解消するというのが基本となる。
 また、運動不足により、コア筋が弱くなることで、そもそもの基本姿勢が取れなくなる。ハードな運動は必要ないので、インナーマッスルを刺激する軽い運動をすることで、老化からの疲労を防ぐことができる。
 

 ここまでのことをまとめると、疲労を避けるために姿勢を整えながら生活する、崩れてしまう前に予防的に姿勢を気にすること、崩れた後は筋肉や骨盤を正しい位置に戻し、まずコアのバランスを取り、その波及効果を部位に及ばせる。日頃から正しい姿勢で運動することも習慣化し、筋力の衰えからくる体の歪みに対処する。
 

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