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形式的な世界を分解する 小林あずさ個展「ダブルスライド」

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小林あずさが、英国から帰国後の約2年ぶりの本格的な個展を開催する。小林あずさは1988年生まれ、現在東京藝術大学絵画専攻油画博士後期課程在籍の作家である。
小林はモチーフを主に紐(aとbを繋ぐ、結ぶ、閉める、留まらせる)、木目(年輪、歴史、記憶)、髪の毛(しがらみ、編み物)を中心に平面作品を製作する。紐には用途が、木目には大地が、髪の毛には頭が、それ等は目的や意識を持った「中核」があって初めて成り立つ要素になる。しかし、小林は、中核の存在を露わにさせることはなく、モチーフ同士が有機的に動き、繋がる空虚な連帯性を描く。
また、モチーフに影は設けられず、複数のレイヤーの中に断片的にするイメージが、一つの絵画という「暗号」を成立させており、小林は、鑑賞者に暗号化されたデータを元のデータに復号化させる暗号の「デコード」を望んでいる。
万物を形式的な思考方法によって、モチーフに擬える小林は、かつて唱えていた「言語の代替物としての作品製作」を超越し、より抽象度の高いモチーフとの遊戯性を通じたメッセージを「ダブルスライド」ではみせてくれるだろう。


小林あずさ「ダブルスライド」
2018年9月14日 (金) – 10月7日 (日)
TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜、木曜

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