舗装路を高速で走る自転車として知られているロードバイク。この世界にはオーナーの体にあったロードバイクをオーダーメイドで制作している会社がある。オーナーに合ったロードバイクを制作することで、その人が持っているポテンシャルを引き出すことができる。
今回紹介するのは、東京にある自転車工房「ケルビム」。1965年に創業し、ロードバイクや競輪用自転車などのスポーツサイクルを中心にハンドメイドで制作している。1968年に開催されたメキシコオリンピックでは、日本人唯一の代表選手である井上三次選手が乗り、当時の日本記録を更新した。現在でも、競輪界を代表するスーパースター神山雄一郎選手がケルビムの自転車を愛用している。
ケルビムが作るオーダーメイド自転車は、オーナー一人一人のために作られたハンドメイドだ。その人に合った走り方や特徴などを数値化し、フィーリングに合う設計を導き出している。さらに工房には、世界中から取り寄せた素材がストックされており、オーナーの力を最大限に引き出すことができる自転車が作られている。
ケルビムの自転車は、従来の自転車にはない芸術的な部分も持つ。従来の鉄よりも強靭なスチール（鋼）素材は、車体を構成するパイプを組み合わせることで、オーナーの理想を追求するだけでなく、クラシックとモダンを両立したデザインを実現し、レースだけでなく街中でもマッチするスタイルとなっている。
国内だけでなく、海外からも注目されており、北米最大のハンドメイド自転車の祭典「NAHBS（North American Handmade Bicycle Show）」で連続受賞。イギリスのデザイン集団TOMATOを牽引す、るSimon Taylorとコラボレートした「Humming Bird」は、自転車の常識を打ち破る新しいスタイルとして注目された。レトロフューチャーを基調としたHumming Birdは、NAHBS最高の栄誉といえる「The Best to Show」も獲得している。
ショールームは、東京都渋谷区にある「ケルビムストア青山」（原則予約制）と、東京都町田市にある「ケルビムストア町田」の2箇所。オーダーフレームの基本価格は30万円から。
