今回の展示について河村康輔と話した時、まず彼が私に伝えたのは「抽象的な作品を発表しようと思う」であった。
コラージュの概念というものが存在するのかは私はわからないが「切って貼る、分解して再構築、別々のものを混ぜ合わす」という事がコラージュの一般知識であり全ての人が認識している事だろうと思っている。
デザイン的要素が最も重要だと思うコラージュ作品、それを抽象的に制作するという彼に作品についての話を聞き進めていき、私が感じた事を簡単な言葉で並べてみると「斬新や前人未到、裏切りや挑戦」が浮かんだ。
私は河村康輔の事を「コラージュモンスター」と呼んでいる。コラージュの怪物はこの展示で己の意識を破り、コラージュ制作をする全ての人を踏みつけ、美術界の壁にヒビを入れるかもしれないと 私は感じている。
そしてこの十数年のうちに数え切れないほどの展示をしてきた彼は今回の展示の事を「ある意味これは初めての個展だ」と言った。
QUIET NOISEディレクター 井上⻯介
KOSUKE KAWAMURA EXHIBITION “mirage” / 河村康輔 個展「mirage」
展覧会会期 : 2018.08.18(sat) – 2018.09.09(sun) ※土日祝のみ営業(平日アポイント制)11:00-20:00
会場 : QUIET NOISE arts and break 東京都世田谷区代沢2-45-2 1F
レセプション:2018.08.17(fri) 18:00-20:00
http://www.quietnoise.jp/event/kawamura-kosuke-exhibition-mirage.html
河村康輔 / KOSUKE KAWAMURA
1979年、広島県生まれ。東京都在住。 グラフィックデザイナー、アートディレクター、コラージュアーティスト。
「ERECT Magazine」アートディレクター。グラフィックデザイナーとして多数のアパレルブランドにグラフィックを提供、コラボレーションTシャツを制作している。 他にもライブ、イベント等のフライヤー、DVD・CD のジャケット、書籍の装丁、広告等のデザイン、ディレクションを手掛ける。コラージュアーティストとして、様々なアーティストとのコラボレーションや国内海外での個展、グループ展に多数参加。
代表的な仕事に「大友克洋GENGA展」メインビジュアル、「ルミネ×エヴァンゲリオン」広告ビジュアル、アートディレクション、デザインなど。 2017年、大友克洋氏と共作で「INSIDE BABEL」(ブリューゲル「バベルの塔」展)を制作。2019年まで不定期で更新される渋谷PARCOアートウォール企画「AD 2019」で大友克洋氏と AKIRAを使用したコラージュ作品を発表。
2018 S/S adidas Originals and United Arrows & Sons collaborative collectionのグラフィックを担当。