東京オペラシティ アートギャラリーで開催された「谷川俊太郎展 TANIKAWA Shuntaro」(2018年1月13日〜3月25日)は、そう聞いて想像したものとは別物で、それは素晴らしかった。その世界観を「本」につめたのが、『こんにちは』だ。
谷川さん自身の「カタログじゃないもの作ろうよ」というひと言から出来上がったという本書は、確かに、いわゆる展覧会カタログとは異なっている。
そして単なる詩集でもない。会場に展示されていた詩は、もちろん収録されているが、それ以上に、谷川さんの撮り下ろし写真、谷川さんが撮った愛用品、寄稿、対談、ハガキ、自作の俳句(!)…1931年生まれの詩人・谷川俊太郎を形作ってきたもので溢れている。そうしてページをめくり、谷川さんの世界に浸っているうち、「ではまた」という詩でこの世界は締めくくられるのだ。なんてチャーミング!
ちなみに、表紙は青以外にも、赤、黄と、3パターンある。中身はまったく同じなので、どれにしようか迷うのも楽しく、こんなところにも谷川さんの遊び心が垣間見える。
『こんにちは』
谷川俊太郎
ナナロク社
1,800円
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