ーーレイジさんは上杉さんが俳優を始めた時から見ているんですよね?
レイジ「初めて観たのは『にがくてあまい』です。俺らが主題歌を担当してて」
上杉「今は役者を始めて3年目なんですけれど、あれは役者1年目でほぼほぼ最初のもの。レイジくんからOKAMOTO’Sが主題歌をやるという連絡をもらって驚きました」
——役者の上杉さんを初めて観た時の感想は?
レイジ「この感じで悪い役だったんですけど、ものすごくハマっていたし、良くて良かったー!って感じです(笑)」
上杉「そう言われたのは鮮明に覚えてます(笑)。 褒めてもらったんですよ」
レイジ「この鼻がねぇ、なんか悪そうだもん(笑)」
上杉「(爆笑)。よく言われます」
レイジ「いや、いいよ。良い役が絶対いっぱい来る。きちんと良い役がもらえる役者という感じ。ただイケメンで売り出されているということじゃなく、『この役は上杉柊平』というところにちゃんとハマっていけそうだから、後輩とか関係なく期待大です」
上杉「嬉しいっす。そういうのに名前が挙がる役者になることが一番いい」
レイジ「『リバーズ・エッジ』の役も普通だったらハマらない過剰なところがあるのに、そこは別にどうでもいいってくらいの馴染み方をしてた。相当だよ」
上杉「本当ですか、良かった!」
レイジ「俺は映画をいっぱい観て、台詞や衣装だったり、ここ良かったなということを具体的にメモする癖をつけていて。『コイツの履いてる靴の汚れ方がどう』とか、逆に衣装が変わらなすぎると不自然だなとか、個人的な主観でメモをたくさんとっている。『リバーズ・エッジ』を観た時は、柊平の顔のイラストを描いたよ」
上杉「マジ!(笑)」
レイジ「鼻がこうなってんだなーって(笑)。そしたら浮世絵みたいになっちゃった」
上杉「(笑)。今度見せてもらおう」
レイジ「塗れ場のシーンの空気感はどんな感じなの? 前張りしてるんだよね?」
上杉「してます! R18にならないための決まりが多いから、結構現場は冷静だったかも。なんていうか、アクションみたいでした」
レイジ「殺陣だね」
上杉「うん。位置も作り込まれていたし、まさに殺陣ですね」
——行定監督とのお仕事はどうでした?
上杉「超おもしろかったです。中2くらいで『GO』を観たんですけど、周りでもめちゃくちゃ流行ったんですよ。それこそKEIJU(KANDYTOWN)が感化されて、毎朝『GO』の台詞言ってくるみたいな。『広い世界を見るのだ』とか」
レイジ「ウゼ〜〜〜!(笑)」
上杉「でも俺も観て感化されてるから(笑)。で、そんなこともあって海外に行ったんです(笑)。もちろんそれだけじゃないですけど、そこからいろんなことが連鎖するじゃないですか。いま振り返るとその原点だったのかなって思いますね。だから監督との仕事は最初すごく緊張していたんですけれど、『好きにやっていい』と言われて。監督も初めて漫画原作を映像化されるということだったので、本読みも数回やってみんなで共通認識を持とうというところから始まって。撮影もおもしろくて、何が駄目なのかわからないですけれどひたすら同じシーンを30回くらいやったり。『おもしろいからもう一回やって』とか、『次は何すんの?』みたいな、カメラの横でずっと監督がニヤニヤ見ているという感じでした」
レイジ「へえ、そんな感じだったんだ」
上杉「そういえば、監督もヒップホップが好きなんですよ。ヒップホップは韻を踏むというルールがあるけどその中で好きにやるじゃん、芝居もそうだよね。一個決まりがあるのって面白いよねって、まだ役も決まってない時にお話したときにおっしゃってたんです。俺も決まりの中で好きにやるのが楽しいタイプだから、興味深かったです」