絹糸のような雨が降る東京のとある日。5枚目のソロ作品『Rock N Roll Consciousness』をリリースしたソニック・ユースのサーストン・ムーアと、ペトロールズの長岡亮介が出会った。穏やかな時間が流れるなかで交わされた二人の対話、その記録。
長岡亮介「これが、僕が組んでいるバンド、ペトロールズの1stアルバム(『Renaissance』)です。一昨年、結成10周年のときにリリースしたんです」
サーストン・ムーア「10年目で!? なぜそこまでリリースしなかったの?」
長岡「なかなかタイミングがなくて(笑)。でも、数曲入りの作品はたまにリリースしてました」
サーストン「(三角形の)ジャケットもクールだね。壁にかけたくなるね」
長岡「レコード屋さんに発送して到着するまでに角が折れてしまうこともあって(笑)」
サーストン「なるほどね(笑)。楽しみに聴かせてもらうよ。メンバーは何人?」
長岡「トリオです。僕はギターを弾きながら歌ってます。こっちはソロで出した作品(『MIXED MESSAGE』)です」
サーストン「どういうサウンドを鳴らしてるの?」
長岡「ソロはフィーリングに任せて思いつきでギターを鳴らしながらGarageBandで作りました。バンドのほうはよくあるトリオみたいな音楽性にはしたくなくて。強いて言えばブラックミュージックの要素がけっこう入ってるかな。でも、音の隙間はすごく多いんです」