12:30 WIRED HOTEL 浅草
すぅ「わあっ! すごい!」
アヴちゃん「いいねえ! いい!」
すぅ「最高。いい宿。いい香りする」
アヴちゃん「木の香りがする。オリジナルのルームスプレーなんだって。テラスが広い。行く?」
すぅ「行く! 景観がすごい。スカイツリーの手前の」
アヴちゃん「浅草花やしき?」
すぅ「そう。おもちゃみたい」
アヴちゃん「ホテルでの撮影って『じゃらん』感あるね(笑)」
すぅ「ある(笑)。『じゃらん』っぽく撮ろうか。うちらやと邪乱(じゃらん)かな」
すぅ「(笑)。ホテルのオリジナルグッズがあるんだね。かわいい。私がほしい」
アヴちゃん「読者プレゼントにするらしいから、うちらで応募しようか」
すぅ「『当たった!』って自分で持ってたりして(笑)。このホテル、海外のお客さんが多そう」
アヴちゃん「使いやすそうだし、そうかも」
すぅ「いいねえ」
アヴちゃん「それにしても今日は初対面って感じがしない」
すぅ「しないよね。ああ、今日聞きたいことがたくさんあるのに、なに話そうと思ってたんだっけ。そうだ! イヤモニの型をとったんでしょう?」
アヴちゃん「そうそう。ピアス取らないでそのままでいいよって言われて、内側に開けてるから大丈夫かなって思ったんだけど、事前に調べておいてくれたみたいで、いけますよって。割れやすいって聞いたから大切に使わなきゃ」
すぅ「落としたら一発でパキーンって割れちゃう」
アヴちゃん「空洞なんだね。イヤモニで音をとるのも不思議な感じがしそう。いままでは爆音で音とるのにしか慣れてなかったから静かでビックリした」
すぅ「じゃあ、最初はやりにくいかもしれない」
アヴちゃん「いまはサイサイ全員イヤモニでしょう?」
すぅ「してるね」
アヴちゃん「歌、変わる?」
すぅ「歌も変わるし、ベースとかの聞こえ方がすごく変わる。うちらはクリックも聞きながらやってるから、やりやすいけど、昔みたいな荒い感じはなくなるかもしれない」
アヴちゃん「衝動的なのがないってことか」
すぅ「すごく乱れたりとかもなくなるし、それ通りにやらないといけないから、ペチャってなることもなくなる。クリックが止まったらヤバいんだけどね。夏フェスでパソコンがやられて止まることもあるからヤバい」
アヴちゃん「怖すぎる! それが怖くてまだ一回も同期してない」
すぅ「リスキーではある」
アヴちゃん「一度仙台のアンコールのときに、マラカスの音とか出そうとかってなって、アンコールとにもなると心拍数もはやいし、テンションあがってるからすごく遅く感じちゃってやめようと思ったの」
すぅ「そのときの気持ちでBPMが変わっていいと思う」
アヴちゃん「同期はすごい。尊敬する」
すぅ「いやあ、でもたまに同期とか使いたくないと思っちゃう」
アヴちゃん「使わなくても大丈夫そうなのに」
すぅ「ミニライヴとかでは使わないんだけど、大きな会場になると、演出があったり音圧もあるから」
アヴちゃん「そっかあ、しっかりやってんねんなあ」
すぅ「でもブランクもあったんだよ。高校のときにやってて、やめて、また組んでだから」
アヴちゃん「ほんまにやりたかったんやね」
すぅ「そうだね」
アヴちゃん「すぅちゃんは思った通り、おもしろくて素敵な子。わかっててしっかりやってる子なんやなって」
すぅ「よかった。そう思われてるんだろうなって感じることもあって、だから近寄れなかったりする」
アヴちゃん「そうだよね。そうなるわ。うちらは怖がられてるから、ナメられるってことは少ないほうやと思う。でもデビュー前とか、イロモノとか呼ばれることもあって、でもライヴが終わると、『僕らの企画に出てください』とか言ってくれて。手のひらがかえる瞬間をたくさん見てきて。バンドをやることが一種の叫びというか。これがないと生き辛いところがあるから」
すぅ「見返してやった感はあるよね」
アヴちゃん「あるよね。サイサイがデビューした頃って読モブームだったもんね」
すぅ「そう」
アヴちゃん「ブームって怖い。デビューから5年くらい? はやいよね」
すぅ「ね、ビックリ。私、農業科に行ってたのね」
アヴちゃん「えっ、牛とか面倒みてたってこと?」
すぅ「牛とかお花とか畑。毎日作業着を着て、泥だらけで作業してた」
アヴちゃん「強い。めっちゃ格好いい」
すぅ「そこでわりと精神を鍛えられた」
アヴちゃん「農業でダウンしたらヤバいよね。長野県で、売られていく牛の世話をしたことがあって、すごいかわいそうになって。『命とは!』となった」
すぅ「学校で鶏の解剖をしなきゃいけなくなって、そこから卵が食べれなくなった」
アヴちゃん「必修科目なんだね。たまごかけごはん食べてごめんね……。そういう曲聴きたい。そんなの誰も書けないよ」
すぅ「そうだよね」
アヴちゃん「そこが根源なんだ。死生観をわかってる子は強い。いただきますの意味をわかってる子は強い」
すぅ「それはある」
アヴちゃん「なるほどと思った。信用できるというのはそこからきてるのかもしれない。あと、街で気付かれたりしない?」
すぅ「たまーにくらい。アヴちゃんには気付くよ(笑)」
アヴちゃん「地味にしてるんだけどな」
すぅ「(笑)」