アヴちゃん「ああ、お腹減っちゃった」
小春「ここは食べ物売ってないけど、斜め向かいのお店に注文できるよ。あと美味しいたこ焼きある」
アヴちゃん「たこ焼き食べよ! わたし、たくさん食べます! 小春ちゃん立ちっぱなしで足大丈夫?」
小春「全然大丈夫。いつも朝まで立ってたから。でも1度だけ膀胱炎になったことがあって、その時だけは『やばい!音楽に差し支えるかも』と思った(笑)」
アヴちゃん「最強!」
小春「ここ、トリコロールカラーだからやたらフランスのお客さんが入ってくるの。中は全然フランスっぽくないんだけど。オーナーのソワレさんがシャンソン歌手だからトリコロールで」
アヴちゃん「歌っている人なの?」
小春「うん。その伴奏をしていたりした。その時、付き合っていた人に手切れ金を払って」
アヴちゃん「別れる時に?」
小春「そう」
アヴちゃん「なぜ?」
小春「家賃を半分払ってあげてたの。あと1年ちょいの残りの家賃を払ってもらわないと俺が生活できないってことになって」
アヴちゃん「ダメ男だったってこと?」
小春「まあ、そうです」
アヴちゃん「働いてない人だったの?」
小春「働いてたんだけど、なんでそんな家賃のところに住んでいるんだって感じだったの。その1年半くらいの家賃の半分を丸々払うのは無理だったけど、別れたいから交渉して払えるだけ払って別れた。その時に一文無しになって、ソワレさんに『ママ、空いてませんか?』って働かせてもらって。それまでアコーディオンの流しとか以外で働いたことなかったんだけど、初めてママとして働き始めました」
アヴちゃん「素晴らしい!」
小春「あ、たこ焼き来た」
アヴちゃん「アツアツのうちに食べましょう。いただきます!」
小春「いただきます!」
アヴちゃん「熱いけど美味しい。もう2回転いける」
小春「いけるねえ。トロトロしてるのがいい」
アヴちゃん「それで、お金がなくてたくさんお店に入ったの?」
小春「うん。売り上げがいいとパーセンテージでお給料が良くなるから、お客さんに『頼むから飲んでくれ! いま金がない!』ってお願いしてた(笑)」
アヴちゃん「すごいねえ。本当に別れたかったんだね」
小春「別れたかった。その時にいまの事務所のマネージャーと知り合ったの」
アヴちゃん「ご縁だね。ああ、美味しかった。ご馳走さまです」