——Reiさんは、元から音楽以外の表現方法も興味があったんですか。
Rei「昔から絵を描くのは好きでした。曲もギターも全てを含めたクリエイティヴィティが好きなんです。パーツが集まって絵が見えてく過程が楽しくて」
コウキ「毎回CDのコンセプトが統一されているし、音楽以外の部分でも世界観ができていて、それを自分でトータルプロデュースしているのはすごい。そこを全てできるのは強いよ。僕はいつも見せ方が難しいなと迷ってしまうので余計にそう思う」
Rei「何年もやっているとコントロール欲が強まってきて、隅々まで目が行き届いてないと不安になる。他の方に任せると、作品自体の完成度は高く、新鮮なものになるんだけど、自分のものじゃないような気持ちになるんです。でも任せるのも大切なことだとわかってはいて。難しいですよね。OKAMOTO’Sの場合は、きっとメンバー間やスタッフの方とかにその信頼を抱いているから、毎回違うテイストの作品ができてるのかなと思う」
コウキ「僕たちはメンバーが信頼している人だから任せられるということもわりとあるけど、そもそもバンドだからということも大きい。正直、センスや考えていることもメンバー間で全く違ったりする場合もあるけど、そこは共同体だから腹を決めてやるしかなくて。自分でやりたいなって思う気持ちもありつつ、ずっと一緒にいるから感覚が共有できているところもあるしね」
Rei「他の人と一緒にやるときは、『格好いい』の共有がすごく大切だなって思う。好きなものは違ってもいいし、タイプが全く違う人でもいいんだけど、これは格好いいというのが違う人とは一緒にものを作れないな」
コウキ「Reiちゃんは、難しいけどすごく絶妙なところを突いてると思う。アートワークにしても音楽にしても、渋く見せる方法はあると思うのに、それをポップに間口を広げて見せようとしているところにシンパシーを感じる。ミニアルバムという形態でリリースしていくのには意味があるんですか?」
Rei「シンプルな構成で3、4分でサクッと終わってしまう60年代のロックを聴いて育ってきたので、自分もお寿司一貫くらいの感覚で聴ける長さの曲がすごく好きで。
でも『OPERA』みたいにコンセプチュアルな盤もいつかは作ってみたいと思います。『クアドロフェニア』や『サージェント・ペパーズ』のように、ずっと聴いていられる長い曲も好き。ザ・ビートルズのアルバムを何度も聴いてると、すごく思慮深いなと思うんです。この伏線が実はここに繋がっているんだ!という思わせぶりなところがたくさんあって。名作はそういう工夫がちりばめられているので、自分もそこは倣っていて。と、同時に人に難解なものとして見られたくないというのがあるです。その塩梅がすごく難しい」
コウキ「敷居が高い集団と思われたくないという思いはあるよね。自分の好きなルーツにあるものと、世の中でキャッチーとされているものとのバランスが難しくて常に考えている」
Rei「全て、バランス感覚ですよね」
コウキ「Reiちゃんは自然にやったらどんどん本物っぽくなってしまうタイプだろうから、アートワークでバランスをとったり、きちんと入り口を何個も作っていてバランスがよく見える。新しいアルバム(『CRY』)では日本語も増えてきてるよね」
Rei「そうかも。今回は多い」
コウキ「“Tumblin’”はロカビリーっぽくて良かった。今までの楽曲とまた違って」
Rei「(ブライアン・)セッツァーさんがすごく好きだから。ジャンゴ(・ラインハルト)も好きで、ジプシー・ジャズのエッセンスも入ってる」
コウキ「なるほど、ジャンゴ・ラインハルトの感じはした」
Rei「OKAMOTO’Sはアルバムが出て、またツアー?」
コウキ「そう。秋から23本のワンマンツアー」
Rei「8月のフェンダーのイベントは一緒に出演できるんだよね?」
コウキ「そうそう、楽しみだね。またスタジオに入ろうよ。あの曲、本当に仕上げたい」
Rei「うん。ぜひ仕上げましょう!」
photography Masakazu Yoshiba
interview&edit Ryoko Kuwahara
Rei
『CRY』
発売中
(Reiny / AWDR/LR2)
https://www.amazon.co.jp/タイトル未定-Rei/dp/B072F4MC2Y
https://itunes.apple.com/jp/album/cry-ep/id1245528440
OKAMOTO’S
『NO MORE MUSIC』
8月2日発売
(Ariora)
https://www.amazon.co.jp/NO-MORE-MUSIC-初回生産限定盤-DVD付/dp/B072VKB8QQ/ref=pd_lpo_sbs_15_img_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=8MR686V41KK8S9ZDA0PC
https://itunes.apple.com/jp/album/no-more-music/id1253780325
Rei
1993年、兵庫県伊丹市生出身。卓越したギタープレイとヴォーカルをもつ、シンガー・ソングライター/ギタリスト。幼少期をNYで過ごす。4歳よりクラシックギターをはじめ、5歳でブルーズに出会い、ジャンルを超えた独自の音楽を作り始める。2015年2月、プロデューサーに長岡亮介(ペトロールズ)を迎え、1st Mini Album『BLU』をリリース。FUJI ROCK FESTIVAL、RISING SUN ROCK FESTIVAL、Peter Barakan’s Live Magicなどビッグフェスに多数出演。2015年11月、セルフ・プロデュースにて2nd Mini Album『UNO』をリリース。2016年3月インドネシア・ジャカルタで開催された「JAVA JAZZ Festival 2016」、アメリカ・テキサスで開催された「SXSW Music Festival 2016」に出演。同年9月、トリロジーの最終章となる3rd Mini Album『ORB』をリリース。2017年7月、CD+MUSIC BOOK『CRY』をリリース、7月8日フランス・ベルフォールで行われた「Les Eurockéennes」に出演、7月14日より東名阪ワンマンツアー「CRY BABY TOUR 2017」を敢行。
http://guitarei.com/?lang=ja#content5
OKAMOTO’S
オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム 『10’S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月に は両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。2015年9月30日、6thアルバム『OPERA』をリリース。2016年6月1日にNetflixドラマ「火花」の主題歌「BROTHER」を表題曲にしたシングルをリリース。10月29日、東京・日比谷野外大音楽堂公演にてキャリア初の47都道府県ツアーファイナルを敢行。同ツアーからの厳選音源と、ツアー中に書き下ろした新曲「ROCKY」を収録し、ツアーファイナルの映像を全曲収録したBlu-ray付きライヴアルバム『LIVE』を2017年5月31日にリリース。8月2日に7thアルバム『NO MORE MUSIC』をリリース。同年10月7日には中野サンプラザにてキャリア初のホールワンマンの開催が発表されたが、即完売となる。同月30日より恵比寿リキッドルームを皮切りに全国23か所を回るツアー「OKAMOTO’S TOUR 2017-2018 NO MORE MUSIC」の開催が発表された。
http://www.okamotos.net
FENDER×SMA “SUNBURST SOUL SESSIONS”
8/23(水) 東京・恵比寿LIQUIDROOM
出演者:山内総一郎(フジファブリック)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、澤 竜次(黒猫チェルシー)、Rei ほか
イベント特設サイト http://sma.co.jp/sss/
LINE LIVE『FENDER×SMAスペシャルセッション!』
https://live.line.me/channels/21/upcoming/3116410
FENDER×SMA SPECIAL SESSIONS(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=jKRA27cQ4LA&list=PLDAcLzC2Q6tarrsi4JCz9hLYZamN8TL_Q