赤い部屋と青い部屋に入った時とでは、その反応は違う。心拍数から判断すると、前者では興奮するのに対し、後者では落ち着いてリラックできる。これは何となく腑に落ちる結果だ。赤や青にはそういう性質があるのを、多くの人は日常生活を通して経験している。次に部屋の電灯を消して、同様に心拍数を取ると、結果も同様なのであった。これは視覚からの情報を遮断されても人は色を感じられるという証明にもなっている。光線の反射としての色彩がなくても、それを判別できるのは、色の持つ波動の差を、人も感じ取れるからである。色は波動、電磁波なのである。
波動というのは長短があって、虹を見ると、アーチの上部にあるのが赤で、下は紫である。上にある色は、波動の長さが短くて、下にいくほど長くなる。人が視覚で捉えられるものは実はわずかで、より波動が短いものは、赤外線であり、より長いものは紫外線で、視覚で捉えることができない。だが皮膚は紫外線や赤外線を感じられる。日焼けは紫外線を感じられるからであり、赤外線に温かみを感じられるのも皮膚である。つまり、私たちが色として捉えているものは、波動の全てではなくて一部でしかない。目からの情報というのは、実は色彩の全てを捉えているわけではない。これはとても想像が難しい。周囲を眺めれば、全てに色があるように見えるので、この世に存在する色が全て見えている気がするが、実はそうではないというのだから。
赤い下着の日は、その人が魅力的に見えるのは、赤には情熱や欲望を刺激する波動があって、フェロモンの分泌を促すからだと言われている。この時も服の下にある自分の下着の色が見えているわけではなく、皮膚が感じているからだ。睡眠を取る時のパジャマの色は穏やかな色が適しているのも、実は波動のためなのである。色というのは、美的好奇心を満たすための観賞用という役割だけでなく、生理的な部分にも作用し、さらには生活の質への影響力も強い。その理由として、色は波動であり、私たちは常にその影響下に晒されているのである。
ならば、その色であり、波動の影響を恣意的に用いることも出来るはずである。こと、それをヒーリングに用いることができたら、どんなに便利だろうと。
(3ページ目につづく)