そのティーンエイジャーの4人組が鳴らすロックンロールに、世界中の音楽リスナーの視線が注がれようとしている。ロサンゼルス発のスタークローラー。正式な音源はまだ一枚の7インチのみ。が、名門〈Rough Trade〉が見初めた圧倒的な楽曲センスと、ニューヨーク・ドールズやヤー・ヤー・ヤーズも彷彿させるスリリングなエネルギーに満ちたライヴ・パフォーマンス。加えてリード・ヴォーカルのアロウ・デ・ワイルドとギタリストのヘンリー・キャッシュのスタイリッシュな佇まいも相まって、結成してまだ1年とわずかながらスタークローラーの名前は瞬く間にバズを引き起こしている。現在かれらは、ライアン・アダムスをプロデューサーに迎えたデビュー・アルバムのリリースが待機中。レコーディングを終えたばかりだというヘンリーとアロウに話を聞いてみた。
―まずは自己紹介をうかがうかわりに、それぞれの音楽的なルーツやバックグラウンドについて教えてください。
ヘンリー「俺たちは2人とも音楽一家に育ったんだ。俺の両親はミュージシャンだから、色々な音楽を聴いて育ったよ。AC/DCとか、ラモーンズとか、エルヴィスとかビートルズとか。そういう音楽にハマって、自分でも音楽を演奏するようになった。音楽オタクで、学校ではいつだってバンドやオーケストラに入っていたんだ。今は何でかわからないけどニール・ヤングが好きだな。ジャック・ホワイトは常に好きだったし、フラット・デュオ・ジェッツもいいよね。ハンク・ウィリアムズも好きだし、ジョニー・キャッシュ、ディック・デールも好きだよ」
―自分でも音楽をやりたいと思うきっかけになったミュージシャンは?
ヘンリー「エルヴィス。彼の音楽に出会ったのは小学一年生の時で、彼のことが書いてある本はたくさん読んだし、絵を描いたりもしてたな」
―アロウはどうですか?
アロウ「私も音楽と繋がりの深い家庭に育ったの。私が最初に好きだったのはビートルズ。お父さんが家でビートルズをかけていて、それが気に入ってビートルズばかり聴いていた」
―自ら発見して魅了されたアーティストはいますか?
アロウ「私の答えは多分オジー・オズボーン(笑)。オジーが大好き(笑)」
―オジーの何にそこまでの魅力を感じたんですか(笑)。
アロウ「彼の音楽に出会ったのは中学の時だったんだけど……何に惹かれたのかな? とにかく衝撃だったのよね。さっき話したビートルズの時みたいに、いきなりハマったの。特別な理由はないんだけど、色々な面で影響されているわ」