——そのファニーという点についても聞かせてください。楽曲はすごくテクニカルでメロディアスなものが多いけど、歌詞はとてもファニーなものが多いですよね。例えば“Fan’s Mail (Tron Song Suite II) ”にある「Cool to be a Cat」の歌詞みたいに。あの歌詞が、僕はすごく好きなんです。自分のテクニカルな楽曲に対して、ファニーな歌詞を合わせようとしたのはなぜなんですか? 自分の楽曲に対して、どういう気持ちでその歌詞を書いているんでしょう?
Thundercat「俺はユーモアが好きでなにかしらにつけてファニーな面を見つけたいと思っている。ユーモアに始まり、ユーモアに終わりたいんだ。シリアスな場面でもどこかしらに常にユーモアを見つけようとしているよ。“Cool to be a Cat”のように自分が正直に心に感じたことを書くというのは簡単そうで実は難しくて、アーティストとしての自分の見せ方などを考えるとそこまで正直になれないものさ。でもそれを取っ払ったところまでいくと、こういうファニーな表現になるんだよね」
——なるほど。すごく腑に落ちました。ライヴではアルバムと違い、15分くらいの長いソロもやったり、即興もあり、グルーヴィーでとよりジャジーでした。アルバムとライヴでは違うスタンスで捉えていますか?
Thundercat「違う部分と似た部分があるかな。レコーディングの時はライヴと考え方を変えないといけないとよく言われるけど、結局俺はライヴをやるような感じで臨んでいるからね」
——ベースを選んだのはなぜですか?
Thundercat「理由はないよ。始めて触ったときは赤ん坊だったからね(笑)」
——親が選んだんですか? それとも自分で選んだ?
Thundercat「冗談みたいだけど、本当にベイビーの頃からベースを持ってたんだ。だからそれもどっちかわからないんだよね。ヴァイオリンもちょっとやってたから、弦楽器が好きだったのかな。わからないけど、自然に惹かれたんだと思うよ」
——作曲もベースからスタートするんでしょうか。
Thundercat「そう。ベースが全ての始まりなんだ」