ショウ「それは二人にとって初めての大きなツアー?」
マイケル「前にヨーロッパで3週間ショーをやったことがあって、それが最初の単独公演だった。そのあとアメリカでも一ヶ月単独公演ツアーをやって、今回が3回目。そこからまたヨーロッパに戻る予定」
ショウ「素晴らしい。ショーをやるのはすごく良いことだと思うよ。二人はまだ若いのに、沢山のショーを既に経験している。君たちの音楽は良い意味で複雑な部分もあるから、それをステージでどう表現するのか気になっていたんだ。実際にショーを観て、良い意味で驚かされたよ。すごくストレートでハートに刺さった。リズムやコードチェンジはあるのに、全然複雑に感じない。むしろ、聴いていてすごく心地よかった」
マイケル「ありがとう!」
ブライアン「その辺のバランスは意識しているんだ」
マイケル「うん、あまりライヴではやりすぎないようにしてる。複雑な部分はライヴじゃなくてもレコードで楽しめるしさ。そこを期待して来る人たちもいるから、少しはやるけど、あまり全てを演奏しすぎるとライヴを楽しめないよね。やっぱりライヴではグルーヴの方が大事じゃない?」
ショウ「そう思う。曲はどうやって書いているの?」
ブライアン「このアルバムに関しては、僕はほぼ全てをピアノで書いた。曲を書くにつれてテンポも考えていったんだ。ブライアン・ウィルソンの『スマイル』みたいにね。彼はいくつかのパートに分けて曲を書いて、それをくっつけて曲を作っていたから、あの作品ではテンポが沢山変化している。あの作品を聴いていたから、僕も自然とそうやって曲を書いていたんだ」
ショウ「色々なパートが、違うリズムで頭に浮かんできたということ?」
マイケル「そう。初期のザッパみたいにさ。このアルバムは特にだけど、プログレッシヴ・ロックみたいにこれでもかってくらい変化があるわけではないけど、少しそういった要素がある」
ショウ「確かに。普段はブライアンが曲を書くの?」
マイケル「いや、このレコードでは僕たちふたりともがそれぞれに曲を書いてるよ」
ショウ「半分半分?」
マイケル「そう。これではね。ブライアンの曲がきたら次は僕の曲で、そしたらまたそのあとにブライアンの曲が来る。そういういう曲順なんだけど、次のレコードではもうやらないと思う。かなり大変だからさ」
ショウ「どうして大変だったの?」
マイケル「曲順を決める作業が大変で、頭が変になりそうになるんだ!」
ブライアン「ホントそう。その壁には何度もぶち当たった。『この曲は次の曲の前にくるにはスローすぎない?』とかね(笑)」
ショウ「ははは(笑)」
ブライアン「僕の曲とマイケルの曲が交互にならなければいけないと決めていたんだ。時々そのアイデアに固執するのをやめたほうが良い流れが出来るんじゃないかと考えたりもしたんだけど、やっぱりそれはヤダ!って(笑)」
マイケル「でも、もうやらないと思う。もしブライアンの声が僕の曲に合うなら僕は彼に歌わせたいしね。ビーチボーイズみたいにさ。ブライアンも自分のパートは自分のもの、みたいな独占欲があるわけじゃない。彼も、自分の兄弟に歌わせているからね」
ショウ「なるほど。つまりふたりが自分のトラックでのみ歌うというのは今回のレコードだけなんだね?」
マイケル「このレコードと、次にリリースされるEPかな」