―今回の『Heads Up』がレコーディングされたのはアメリカの大統領選の前だと思いますが、今のような政治状況がもしも続いたとしたら、自分たちが歌うことも変わっていくかもしれない、という予感はありますか。
テレサ「うん、それは自分でも意識してる。もっと自分から発していかなくちゃって思ってるし、具体的に動こうとしてるしね。社会派寄りというか、自分の意見を積極的に発信していくようなタイプじゃないんだけど……ただ、こうしてメッセージを発信できる立場にいるのに、それを利用しないのはあまりにももったいないような気がして。しかも、音楽にはその力があるからね。メンバー全員、もともと政治や社会に対する意識は強かったほうだけど、それをわざわざ曲で表現するってことは今までしてこなかった。ただ、それも変えていかなくちゃならないのかなって……しかも、アメリカだけの問題じゃなくなってきてるでしょ? 世界中の大国と呼ばれる国で、保守的な指導者達が進歩とは逆の発想から色んな重要な物事を決定しようとしている。そのせいで表面上はうまくいっているように見えても、裏では色んな根深い問題が起こっていて……そこはもっと伝えていかなくちゃって」
ジェニー「結局、自分を表現するってことだからね。もし政治的なメッセージが自分に響いてくるなら、それは素直に表現するべきだし。自分が政治について歌いたいと思うときが来たら自然に歌うと思う。ただ、政治的なメッセージを無理矢理引き出そうとはしない。このバンドにおいて、○○せねば、とか、○○であらねば、ってものはないからね。一番大事なのは、いつでも自分に正直であるってことだよ。自分自身が良い生き方をすることで、まわりにインスピレーションを与えていくことだってできる。変化は自分自身の中から起こるんだ。わざわざ政治的なメッセージとして伝えていかなくたって、世界を変えることはできるんだよ」
Warpaint
『Heads Up』
(Rough Trade/Hostess)
https://itunes.apple.com/jp/album/heads-up/id1136068048
https://www.amazon.co.jp/HEADS-UP-WARPAINT/dp/B01JGVYXEM
Warpaint
ロサンゼルス出身の女子4人組バンド。2010年、、ラフ・トレードから『The Fool』でアルバム・デビュー。元レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテが絶賛し話題をさらう。初期メンバーにはジョシュ・クリングホッファー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、女優のシャニン・ソサモンが在籍。NME誌が「最もバズを生んだSXSW’10出演バンド」第1位に選出。2011年、フジロック初来日を果たす。14年1月、セルフタイトルのセカンド・アルバムをリリース。2月にはHostess Club Weekenderにて約3年振りの来日公演を行った。2016年9月に待望のサード・アルバム『Heads Up』をリリースし、来日公演を行ったことは記憶に新しい。
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