ジョギングがすでに定まっている人は過度にやることで老化を早めないようにすることに留意して続ければよく、ウォーキングは、どちらかといえば、これから何かを始めたい人にとっては気軽さが売りになるだろう。またジョギングが最近億劫になってきたという人にもいい。筋肉や心肺機能の維持はしたいけれど、習慣化するにはちょっとハードルが高いかなという人にはぴったりだ。最初は散歩から始めて、習慣化したら手をしっかりと振って早足にすれば、それがウォーキングとなる。
裏付けのない直感的なことを言うなら、人間は歩くことで健康を維持できると私は思っている。
進化の末に得た本来の動態を保つことで、備わっている本来の機能を保持できるというのが、この発想の根底にある。二足歩行ができるのだから、二足歩行を生活の中で不足させないでおく。それが各所のバランスを取ることの近道なのではないか、と思う。各所というのは、精神面でのバランスも含まれる。身体と精神は繋がっているというのも私の基本的な捉え方だ。
歩けば、足裏が刺激されるだろう。ジョギングなどに比べて大地との接地時間が長いために、その効用もより深まる。足裏には多くのツボがあることは周知で、その刺激は脳の活性化にも繋がり、それがもたらす仕事への好影響は簡単に想像がつく。血行が良くなることで、身体各所の滞りが解消され、肩こりや腰痛にもいいはずだ。ほどよい有酸素運動で呼吸も深まり、酸素が多く吸収され細胞も適度に活性化される。それによって老廃物の排出もスムーズに進むだろうし、つまりは美容に効果的だ。
美容とはつまり、代謝を良くして生まれ変わる能力を高めることなので、じっとして今の自分をキープするのではなく、積極的に動くことで、常に自分をリニューアルして古くなることを防ぐことだ。これは何も身体だけに限ったことではなくて、常に好奇心を持って心に刺激を与えることで老け込むことを避けるのが大切だ、ということに繋がる。
つまり多くの運動法の前提として十分な歩行を心がけるということが大切なのだが、案外都会に暮らす人は普段から歩いている。地方に暮らす人は、軽自動車などでの移動が多く、歩かない傾向にある。それに比べれば都会の人は圧倒的に歩いていると思う。歩くだけでなく地下鉄の階段まで使うのだから、実は田舎暮らしの人よりの足腰は強いかもしれない。
なので改めていつもよりも早く起床してウォーキングの時間を取るというよりも、普段の歩行をウォーキングに当てがえばいいのではないだろうか?
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