NeoL

開く
text by Meisa Fujishiro

藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#41 ウォーキング 

NEWMOON2


補足するなら、心肺機能は深い呼吸を意識することでより向上する。現代人は日常的に浅い呼吸で暮らしているので、老化と共に肺周辺の筋肉が落ち、いつの間にか深呼吸ができなくなっている。いざ深呼吸しようとしてもうまく出来ない人は要注意である。同じ時間を過ごしていても酸素の摂取量が減ってしまっては、各細胞が酸素不足で弱り、それは美容にも悪影響を及ぼすのは言うまでもない。歩くときにも深呼吸を意識し、出来れば腹式呼吸をすることで腹部の筋肉も維持されるだけでなく、内臓も刺激され、その機能を向上させられる。深い呼吸をするというのは、ジョギング中などよりもコントロールしやすいので、ウォーキングの大前提としたいところだ。


 脳の活性化は、風景や気温、風、香り、音、などの予期しない刺激からもたらされる。また足裏からの刺激も同様に脳を活性化させる。歩いて移動している時に、良いアイデアがひらめくことがあるが、それは脳の活性化と関係がある。
 自律神経の調整は、深い呼吸によってもたらされる。できたら吐く息を長めにとると副交感神経が優位になり、落ち着いてゆったりとした状態になれる。そのゆとりが自律神経を正常な状態へと戻してくれるのだ。生きていく上で意識しなくても整うようにオートマチックになっている機能が乱れてしまうと、身体全体のバランスが乱れてしまうので、とても大切なことだ。
 20分以上歩き続け、酸素を沢山取り入れることで、脂肪が燃えやすくなり、肌の引き締め効果が期待できる。激しい運動だと20分以上続けることが難しいが、ウォーキングでは、その点でアドバンテージがある。
 またコレステロールや中性脂肪が減少することによって血流が良くなり、肩こりや目の下のくま、くすみ、なども解消される。リンパ球やホルモンの分泌が多くなり、免疫力や肌の再生力も高まる。
 こういった医学的な裏付けもウォーキングにはあるのだが、その効果はおしなべてジョギングと似ているというか、ほとんど同じと言っていい。なので、効果だけを考えたらどちらでもいいように思える。それぞれの身体に合わせて無理なく行えばいい。


3ページ目につづく

1 2 3 4

RELATED

LATEST

Load more

TOPICS