“海外”滞在中、日本食が恋しくなるように、“宇宙”滞在中だって日本食が食べたい。国際宇宙ステーションに滞在する日本の宇宙飛行士の、長期滞在による精神的なストレスを和らげ、仕事の効率の維持・向上を目的として開発された「宇宙日本食」の存在をご存知だろうか。
「宇宙日本食」とは食品メーカーが提案する食品を評価し、宇宙食としての基準を満たしている食品をJAXAが認証するのもの。現在14社31品目が採用されている。ラーメン3種、カレー3種、羊羹2種など、複数のバリエーションをもつメニューの中でも、最多のバリエーションを誇るのが米飯。「白飯」、「赤飯」、「山菜おこわ」、「おにぎり 鮭」と4種が揃う。
いずれも国際宇宙ステーションで提供できる低温度のお湯で調理が可能。お湯の注入後約30分で食べることができる。
米飯4種の開発、製造をしている尾西食品株式会社によると、開発には宇宙滞在時の味覚の変化を考慮しているそう。同社担当は「諸説あるものの、宇宙滞在時には血が頭にのぼりやすく、味覚が鈍感になる人もいる。そのため米はうるち米でありながら、すこしもち米に近いような食感がある品種『低アミロース米』を用い、味を濃く感じる工夫をしている」と説明する。また、味付きの3種は通常の商品よりも、多少濃い目の味付けをしているんだとか。
最新技術とおいしさへのこだわりが生み出す「宇宙日本食」。今後のバリエーションの充実にも期待したい。